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「皇帝ペンギン、1号だと…!?」

目を見開き絶句する鬼道。
それもそのはず、皇帝ペンギン1号はひと試合で3回以上撃てば体が壊れてしまう禁断の技だ。
真・帝国の時にも佐久間は皇帝ペンギン1号を撃って病院に運ばれた。
それでどれほど危険な技か分かったはずなのになぜ打たせるのか。
それに、凛だって十分その危険性は分かっているはずだ。
何せ同じチームで、なおかつ現帝国のキャプテンなのだから。
皇帝ペンギン1号が体を蝕み、二度とサッカーができなくなる技だと知っていて佐久間に使わせているというのだろうか。
それなら許せるはずがない。
鬼道は凛の胸倉をつかみ上げた。

「貴様、何を考えている!?
皇帝ペンギン1号は禁断の技だと分かっているだろう!?」
「失礼な、私は禁断の技など使わせてはいない
佐久間を見ろ」
「何…!?」

鬼道が佐久間へ視線を向けると佐久間は苦しんでいる様子もなく、いつもどおりぴんぴんしている。
眉をしかめた鬼道が凛に問う。

「城崎、お前何をした…?」
「何って改良に決まっているだろう
体を蝕む要素をすべて取り除き、究極奥義にしただけだが?」
「改良…!?
そんな馬鹿な…!
あの技は改良は不可能だと言われ…!」
「天才ゲームメイかーのあんたには、ね
私にはそれができたんだ
世間では私のことを、こう呼ぶ
“神に等しき魔術師”とね」

凛がにやりと笑う。
“神に等しき魔術師”はサッカーをやる者ならだれでも知っているプレーヤーの二つ名…いや、異名だ。
風の様に走り、剣のようにシュートを決める。
その“神に等しき魔術師”がいるチームは負けたことがないといううわさだ。
その“神に等しき魔術師が凛だったとは、誰が予測できただろうか。
凛が口を開く。

「まぁ、私はその異名は気に入っていない
できることならこう呼んでほしいね

“闇の女戦士”とね。」


“神に等しき魔術師”と“闇の女戦士”





ヒロイン中二病だろこれ
書いた本人が言うことじゃないけど