私はあなたに恋をする |
※オトメン黄泉さん 私は、幼い頃から少女趣味でした。 目が見えないなりにもマフラーを編んだり、お菓子を作ったりと、そういったことばかりが趣味でした。 世間でいう、オトメンという部類に分類されるであろう私は、周りから不思議な目で見られることが日常化していました。 目も見えないのですから、当然といえば当然です。 しかし、そんな私にも片想いをしてる同級生がいます。 それが目の前で私の方を飽きもせず、ずっと見つめている方。 名前は、苗字名前さんとおっしゃる方です。 「平坂、すごいねー。こんなに綺麗にマフラー編めるんだ、すごいなー」 「そんなことありませんよ、苗字さんだって練習すれば編めるようになりますよ」 「そうかなー、私器用じゃないし、それに平坂守るので忙しいしなー…。今日だってまたいじめられたんでしょ、ごめんね顔に傷作らせて…」 私の絆創膏が貼ってある頬にそっと指を這わせて、申し訳なさそうに言った苗字さんに、私の心臓はいつも以上に早く動いて、とても息苦しい。 苗字さんに触れられている。 それだけで、私は顔に熱が集まり、苗字さんの方を見ることが恥ずかしくなる。 苗字さん、好きです。 そんなこと、言えるわけないのですが。 「苗字さん、気にしないで下さい。私は大丈夫です。私は苗字さんと一緒にいられれば、それで十分ですから」 「そう? ならいいんだけどさ」 そう言って私の頭を撫でる苗字さん。 その行為にまた顔が赤くなるのが自分でもわかりました。 このマフラー、完成したら貴女に渡して告白出来たら…。 そんな風に考えながら、私はまたマフラーを編むことに集中するのでした。 私はあなたに恋をする――― オトメン黄泉さんってよくないですか ネタから引っ張ってきました |