未来日記 | ナノ


これは、数年前のお話。
とある町に、少女とヒーローがいました。
少女は気が利いて、明るく優しい、可愛らしい子でした。
でも、少女はいつも一人でした。
学校に行くことが少なかったので、友達がいなかったのです。
少女の親は、少女を嫌ってよく少女を蹴ったり殴ったりしました。
少女には、なぜ暴力をふるわれているのかが分かりませんでした。
もしかしたら自分が悪いことをしたのかもしれない。
そう考えて、痛くても辛くても、じっと耐えていました。
家での暴力に耐え続けていた少女でしたが、学校でも暴力をふるわれるようになってしまいました。
学校でも家でも暴力をふるわれるようになった少女の安らげる場所は、ひとつだけになってしまいました。
もう無理だ、と耐えきれなくなった少女は、安らげる場所にいる、年上のヒーローを頼りました。
事情を聞き終わったヒーローは、少女をきつく抱きしめ言いました。

「私が、守ってあげます」

その後、少女はヒーローの家に引き取られ、少女の親は大人につれていかれました。
ヒーロー以外、頼れる人がいなくなってしまった少女でしたが、その後ずっとヒーローと幸せに暮らしましたとさ。


――しかし、その幸せが崩れることになろうとは、誰も知らなかった。