うれしいけど苦しいな  




幸村、どうしてこんなことになったの。
別に責めてるわけじゃないよ、責めたってこの状況が変わるわけじゃないもの。
そんなこと私じゃなくても分かることだし、いちいち説明してくれだなんて言わないよ。
そりゃ、説明してくれたら嬉しいよ?
なんでこんな状況になったのか、私だって分からないし。
幸村なら何か知ってるんじゃないの?
内心幸村に問うけど、そんなの幸村には全く通じず、返答なんかないわけで。
私は本当に泣きそうになった。

「なんでお前らがここにいるんだよ、ばかあああああああ!」
「いきなり大声出すんじゃなか。近所迷惑じゃろ」
「お前らのほうが近所迷惑だよおおおおおお! むしろ、苗字家には迷惑だよおおおお!」

なんで私がこんなに叫ばなくちゃけないの、誰か教えてよ。
まず状況を整理しようと思う、錯乱状態のままじゃことが進まないから。
おお、こんな状況でも冷静に考えられる私、マジ天才!
……なわけねえええええ! 今すぐにでも叫びたいわ馬鹿野郎!
幸村に片思い中の私は、勇気を出して部活終わりにご飯を食べていかない?、と彼に提案した。
我ながら自然で、なおかつ媚のない完璧な計画だと思ったのに!
なんでレギュラー全員が私の家のリビングで、我が物顔して飯食ってんだよ!
お前らを呼んだ記憶なんてねえぞばか!

「たまらん味噌汁だな!」
「ふむ、薄味でなかなか美味だな」
「あー! 先輩! 俺のおかずとらないでください!」
「こういうのは早いもん勝ちだろぃ?」

なんでこうカオスなの、こんなの絶対おかしいよ……。
計画では苗字、とってもおいしいよ、えへへ嬉しいな幸村!、となるはずだったのに!
もう絶望が大きすぎて、これ以上どなる気にもなれない。
今度こんなことがあったら、幸村以外つまみだすからな、つまみだすからな!

「ごめんね、苗字。本当は俺だけで来ようと思っていたんだけど、どこから聞きつけたのか、こいつら全員ついてきちゃって……。ジャッカルに買いに行かせた材料だけで足りるかな……?」
「ゆ、幸村! ぜ、全然大丈夫だよ……! 足りるよ、足りてるよ!」
「ならよかった、大人数で押し掛けた上に材料が足りないとなったら、苗字に迷惑だもんね」

幸村マジイケメンすぎる、かっこよすぎて私昇天しそう。
なんかさ、嬉しすぎて胸のあたりが苦しいよ、糸で締めあげられてるみたい。
これが巷で聞く幸村パワーなんですか、そうですか。

「苗字って料理うまいんだね。また作ってほしいな、お弁当とか」
「はい、作らせていただきます、明日にでも!」

……前言撤回。
レギュラー、お前らがいたおかげでいい感じになったよ!
礼として、明日の部活の時にレモンの蜂蜜漬けをくれてやる!
もちろん、幸村が一番多いんだからね!
ああ、幸村大好き!


ラブパワーで一回転




―――
朔夜様、小説がこんなに遅くなってしまって申し訳ありません!
スライディング土下座をしても謝りきれません……!
リクエストのジャンルが、シリアス、ギャグだったので最初のほうをシリアスっぽくして、後半をギャグにしてみました。
リクエストに添えているかどうか不安です、間違っていたらどうしよう……!
書き直しなどございましたら、お気軽にお申し付けください!
リクエストありがとうございました!



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