リレー小説 | ナノ


幾分か騒がしくなった休み時間の教室で、瑞季は小さなため息をひとつ零した。窓の外では雨が降り続いている。

「どうかしたか?」

不意に聞こえた声に頭を上げるとそこには柳がいた。崩れた姿勢を少し整え、瑞季は口を開く。

「別に、大したことやないんやけど…。」

「何だ?」

「雨降ってるから、練習どうなるんかな…なんて。」

「雨天用のメニューだろう。」

「せやけど、今って大事な時期やろ?」

関東大会が終わり、全国大会へ向けて練習をしている今、悪天候は好ましいものではない。

「雨が降ると、なんとなくブルーになるから、モチベーション下がらんかったらええけど…。」

そう言うと、瑞季は窓の外に目をやった。相変わらず雨は降り続いている。

「それに、他校も今まで以上に練習頑張っとるやろうしな。」

「四天宝寺や氷帝、か?」

柳がそう口にすると、瑞季はぴくり、と動いた。窓に向けていた視線を柳の方へ向け直し、苦笑して呟く。

「柳のそういうところ、嫌やないけど、なんかなあ。」

その言葉を聞いて、柳も口元を緩めた。流れる空気は柔らかだ。

「四天宝寺も氷帝も強い。謙也や侑士のおるところやから。気にならへんわけやないし、油断もできへん。やけどさ…。」

瑞季はくすり、と笑って、誇らしげな表情で柳にはっきりと告げた。

「やっぱ、立海が1番やな。」

柳は瑞季がそう言うことがわかっていたように微笑んだ。ふと、思い出したように柳が言う。

「先程の話だが、雨が降ったくらいでモチベーションが下がるような選手が、この立海にいると思うか?」

「いや、思わへん。それに、今まで以上に練習頑張っとるんは立海やってそうやもん。」

「少し心配しすぎたな。マネージャー。」

柳が苦笑しながら言ったマネージャーという言葉に、少しくすぐったそうに、瑞季は笑った。

「雨が止んだようだ。」

窓に目をやる柳に倣い、瑞季も窓の外に視線を移す。そこには、雨上がりの空が広がっていた。瑞季が口を開きかけたとき、休み時間の終わりを告げるチャイムが響いた。

空模様は青色



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リレー小説二話目は凍音が担当させていただきました。
ルイさんの素晴らしいスタートからどう繋げればよいものかと考えながら書いた結果、どうしようもないことになりました。
まずハードルが高すぎて…!!
ラストがくさすぎてタイトルがださすぎて辛い。

ルイさん、続きお願いします!!