五万打 | ナノ



なぜ今日に限って目覚ましが壊れ、ケータイのアラームがマナーモードで鳴らず、お母さんが寝坊したんだよ…!
現在電車を降りて私は全力疾走している。
走っても私の足で間に合うかどうか怪しい。
残念ながら私は陸上部でも運動部でもなく茶道部なのだ。
故に体力も持久力も走るスピードも持ち合わせていない。
私の足が持ち合わせているのは長時間の正座に耐える忍耐力だけだ。
そんなもの今役に立つはずもなく、徐々に私の足は重りをつけられたかのように重くなっていく。
ちょ、ホントに止めてくれ、今日は柳生と真田が門の当番だから完璧に遅刻しちゃうじゃないか。
泣きそうになりながら息を切らせ走っていると右から誰かがぶつかってきた。
私はびっくりして唖然としか出来ないし、相手は相手でくわえていたトーストを空に飛ばしていた。
今時、どんな少女漫画だよ。
突っ込みたくなった時、相手がいきなり目を見開き叫んだのだ。

「俺のハニートーストおお!」

…誰だよ、これ。
仁王頭打ったのか?
こんなキャラじゃないはずだ。
しかもハニートーストってどんな乙女だよ。
内申思ってたらトーストをキャッチするためか、仁王がトーストが落ちる軌道に先回りしてトーストを待ち構えている。

「あ、仁王」
「なんじゃ、柏木?
俺は今トーストをキャッチするのにいそ…ぎゃあああああ!」
「車にひかれるよって遅かったか」

朝のラッシュの時間なのだから、車は多い。
車にひかれるとは考えなかったのだろうか。
うわー、痛い。
とりあえず、死なれたら私の責任にもなりそうだし救急車呼ぼう。
…間違えて天気予報に電話しちゃったよ!

空飛ぶトースト



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聖さんのリクエストで仁王のギャグです!
もうヒロインが酷いし、仁王の扱い酷くてすいません…
仁王好きなんですよ?
愛ゆえです、これも愛です←
書き直し、持ち帰りは聖さんだけでお願いします
いつも応援してくださってありがとうございます、西のペテン師少女!頑張って書き進めていこうと思います!

これからも私共々午前零時の沈黙をよろしくお願いいします!