オタク連載 | ナノ


「せや、いきなりで悪いんやけど明日の音楽一緒に組まへん?」
「音楽?
ああ、あの自分の音楽的な特技を発表しろってやつ?」
「それや、俺と神田さんやったら最強やと思うんや!
俺、え?あぁ、そう。歌うつもりやねんけどなっ」
「君は耳を孕ませる気か」

私の言葉はごもっともだと思う。
ジギアスこと忍足の声はエロくて体から力が抜ける。
歌う18禁タグやヘッドフォン推奨タグに納得せざるを得ない。
中学生のくせに18禁タグつけられるとか複雑じゃないんだろうか。
ひとまずタグの話は置いておいて、エロい声にエロい歌はとりあえず反則だと思う。
しかもそれをクス動に全く縁のないクラスメートの前で歌うのは危険すぎる。
私と組むってことは私がピアノ弾くことになるだろうし、ダブルでクス厨ってバレたらアウトだと思うんだよね…!

「魅力的なお誘いだけどさ…」
「え、やってくれへんの!?
俺、変わりにバイオリン弾くしやってや!
サンホラやって弾くし!」
「なん…だと…?
なら、うひひ、朝と夜の物語がいいな!
もちろん、忍足も歌うんだよ!
……てかさ、これ二人でサンホラやればいいんじゃないの?」
「確かにせやな…、盲点やったわ…」

忍足がポカンとした表情で頷く。
ジギアスもシスターもサンホラーな訳だから最初からサンホラやれば良かったんだ。
二人でデュエット出来るのは…冥王とか聖戦のイベリアとかその辺りか。
冥王長いから弾くの大変なんだけど忍足もだしそこは妥協する。
最高音は確か出るはずだから大丈夫だ、問題ない。
問題があるとすれば時間かな?
八分は流石にキツいかもしれない。

「忍足、私冥王やりたいんだけど」
「奇遇やな、俺もや
やっぱり俺がタナトスやんな?」
「イエス、それは当たり前なのです!」
「ふおお、ダリアン…!」
「ふひ、ダンタリアン好きだからね
冥王やるのはいいけど時間大丈夫かな?
八分は流石に授業じゃアウトじゃない?」
「大丈夫だ、問題ない
監督やし大丈夫や」
「なんだ、その確信は」

私の言葉に忍足はまあ俺を信じてや、とウィンクを寄越す。
…これが想像してたジギアスさんなら私卒倒するのにな。

サンホラーな二人