試験(沖斎)
「…総司。」
「ん?なぁに、一君?」
ここは俺の部屋。
ニコニコしながら俺を見下ろす総司。
「何故、俺が押し倒されねばならぬのだ。」
そう、俺は今総司に押し倒されている。
今はテスト期間。
ゆえに共に勉強をしようということで、総司は家にやってきたはずだが…
「だってさー。ずっと古典するの飽きちゃったんだもん。それに、古典なんか、勉強しなくても大丈夫だし。」
「はぁ…。総司。前回あんたは土方先生の絵を描いて提出し、補習になったのを忘れたのか?」
「あはは!あれは自分でもなかなか上手に描けてたかな!!」
そう言って笑うと、総司は再び俺を見下ろす。
そして、腕を曲げて顔を近付けた。
「ねぇ。明日の保健体育、勉強しようよ。」
「な…//」
耳元で甘く囁かれ、心臓が高鳴る。
思わず目を背けてしまう。
「ば、馬鹿を言うな//明日のテストは記述で…」
「わかんないよー。相手はあの左之先生だからね。どんな問題がくるか…」
だからと言って、今からしようとしている行為の問題など出るはずがない。
反論しようと総司を見上げると視線がぶつかった。
総司はニコリと微笑んで、俺の身体に手を這わせてくる。
「は…ぁっ、や…め…」
やんわりと総司の身体を押すも、手は止まることはない。
総司の優しい愛撫にのまれてしまいそうになる。
が、しかし。このままではテスト勉強は一向に進まないだろう。
明日は尊敬する土方先生の古典がある。
なんとしても…今日は止めなければ!!
俺は意を決すると、思い切り総司に抱きついた。
「!!は、はじめくん!?」
いきなりの俺の行動に驚いたのか、身体を愛撫する手を止める。
俺はそれを確認すると、身体を反転させ、総司を押し倒す形となる。
総司を見下ろすことなど初めてだった。
いつも見ない角度の総司に思わずドキリとする。
そんな己を律し、目をパチパチさせる総司に諭すように声をかける。
「…総司。明日のテストは、俺にとって大切なものなのだ。あんたと身体を交えることも、その…したく…ないはずなど…ない。」
見つめてくる総司の柔らかな視線を受け止め、俺は正面から向き合う。
「しかし、今はやるべきことをやろう。テストが終われば、俺はあんたを全力で受け入れる。」
途端に総司の顔が真っ赤に染まる。
「…は、はは!!一君たら!!時々すごく格好いいんだから!!///」
そう言って俺の髪を撫でる。
「わかった。我慢するよ。でも、テスト終わったら…覚悟しててね?」
身体を起こし、俺の頬に手を添えると、そっと引き寄せる。
触れるだけの、優しい口付けだった。
「…総司。」
「ん?なぁに、一君?」
「あんたは今、何をしているのだ…?」
「何って…土方先生の似顔絵の練習♪」
「…はぁ…」
今回も、総司が土方先生に呼び出しをくらったのは言うまでもない。
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テスト期間にちなんでのお話ですU・エ・U☆
私はテストが来週末には終わるので、それからまた更新がんばりますね!!
亀更新なのに来て下さっている皆さんに本当に感謝です><
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[mokuji]
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