Side.Hermione

こちらスネイプ。たった今図書室への潜入に成功した。身を隠すのに最適なダンボールが無い事に一抹の不安を覚える所だが、非常事態が発生した時は透明になる魔法で対処する計画でいく事にし、早速これからターゲットとの接触を試みる。グッドラック!



『(つまり要約すると、ハー子とは昼休みの図書室に行けば高確率で逢えるって事です)』

「(お前はスネークか。二行で済む説明を何故にメタルギアに走った)」

『(残念。スネイプだ!蛇寮生ではあるけどね。あと、こういうのはノリが大事なんだぜ?ヴォルディー大佐)』

「(誰が大佐だ。無駄にそれっぽく呼ぶな)」

『(ちょっと、そこは私はムスカ大佐だって訂正しなきゃ)』

「(誰がパロ・ウル・ラピュタの末裔だ)」

『(上出来じゃないか相棒)』



オチの収集がつかなくなる前に、この辺で終わらせときます。ヴォルもなかなか良い感じに私に毒されて来てるよね。精神世界でアニメ鑑賞して良かった。何でもありな私の精神世界、万歳!いっそヴォルもこのままオタの道に走れば面白いのに。リュック背負ってオタクスタイルで秋葉に出没する和が君…全魔法族が泣くね色んな意味で。そして素晴らしい誤字変換じゃないか、和が君って。何だかわびさびを感じるよ。

読書中に悪いかな…と思いつつ、思い切って声を掛けてみた。



『こんにちは、ハーマイオニー。ホグワーツ特急で会って以来だね。寮が別れちゃったから、話せる機会も殆ど無かったし』

「こんにちは、リク。…それで?私に何か用?」

『えと…特に用は無いんだけど…』



ならわざわざ読書中の相手に話し掛けるなよ。飽きれたヴォルの声。

何処かつっけんどんなハーマイオニーの返答に、私は若干タジタジである。ま、まさかツン全開で来られるとは思わなかった。否、この時期のハーマイオニーはこんな感じだったっけ…?何にしろ、このままでは引き下がれないので、取り敢えず何か上手い言い訳は無いかと考えてみる。……。………。…だ、ダメだ。何も良い案が思い浮かばない…っ!?




『何て言うか、姿を見掛けたから、その…久し振りに話をしたくなって…』



抵抗を諦めてそう正直に本心を白状すると、何故かハーマイオニーは赤くなった。読書の邪魔しちゃった?と問えば、勢いよく首を振られた。か、可愛いよハー子!!

そこからは彼女に拒絶される事もなく、調子はどう?から始まり、ハーマイオニーの好きそうな話題…授業や勉強はどうかとか、魔法やホグワーツや獅子寮には慣れたかとか、そんな他愛ない話をしていたら、あっという間に昼休みは過ぎてしまった。




side.Hermione

ホグワーツに入学してから、数日が過ぎた頃。私はホグワーツ特急の中で出会ったリクと再会した。正確には、蛇寮生との合同授業で顔を合わせる機会は何度かあったのだけれども、寮が別れてしまった事もあって、彼女とはあの日以来言葉を交わしていなかった。互いにあくまで挨拶を交わしただけの間柄だったから、あの日図書室で彼女から声を掛けられた時には、正直驚いたわ。

寮が別れて、私の事も快く無く思っているかと思ってたら……リクの態度は、初めて特急の中で出会った時と全然変わってなかった。



「リクって不思議な人ね。蛇寮生なのに、獅子寮生の私に声を掛けて来るなんて」

『うーん。確かに自覚はあるけど、ハーマイオニーはホグワーツ特急で出逢った初めての女子友でしょ?寮の違い云々は兎も角、仲良くしても罰は当たらないでしょ』



そう言って笑う彼女は何だかとても綺麗で。私の事を友達だと言ってくれた事が、とても嬉しかった。だからこそ余計に、彼女が蛇寮生である事がとても残念で。どうして彼女が自分と獅子寮生じゃなかったのかと、この頃の私には不思議でならなかった。

でも、ハロウィンの夜に泣いてた私の事を捜して来てくれた時。トロールから私を守ってくれたリクの魔法は、とても洗練されたものだった。あの時私は恐怖のあまりパニックになっちゃってだけど、今思い返してみると、リクの方はとても冷静で、私の知らない魔法や、一年生では明らかに取得が難しい高等魔法を使っていた様だった。

リクは魔法族の出だし、何よりあのスネイプ教授が父親だから、もっと幼少期から魔法の勉学を積んでいて、スネイプ教授からもとても厳しく教えられたんじゃないかしら。だから、咄嗟の時にも、あそこまで魔法を使いこなせたんだと思う。私もリクを見習って、もっと勉強しなくちゃ!

リクの友人として、胸を張ってリクの隣に並べる様に。

 

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