今でも、忘れられない…。
いや、忘れることなんてできない。
武田との戦。
真田幸村と楽しげに闘っていたあの方に降り注いだ毒の矢の雨。
すべてを交わすこともできたはずだ。
しかし、あの方はそれをしなかった。
それは動くことができなくなった真田をかばった故
解毒剤もすぐに手配できず、そのまま政宗様は…
幾度も悔い、幾度も懺悔し、命を絶とうとした
『小十郎、私は、誇れるか?』
だが、聞こえたのだ。
あの方の最期の言葉が…
あの方の誇りは敵であろうと…命を守ったことへのそれで…
俺はその誇りを、守らねばならない。
「梵、かえっちゃったんだね。」
「…成実か…」
「なっつかしいなぁ…あんな小さな体に…俺たちは頼ってたんだね」
「…そうだな。」
今まであの方が背負っていたものは大きく重いものだった。
理解は、していたつもりだったが、
当時20歳にも満たなかったあの方が背負うには重くてひどく息苦しかっただろう…。
「政宗様、どうか…」
貴女は生き続けてください。
世界は異なっても、この右目が、必ずお守りいたしまする。
*-*あなたのいない世界*-*
(でも、梵かわいかったなぁ)
(おい、今奥州を纏めてるひとりが何を言ってんだ)
(綱元さんに怒られる前に帰ろうよ!)
《小十郎!さっさと手合わせしやがれ!》
(まだ傷もふさがっていない人が何を言ってるんですか!)
(元気だねー梵)
(いっそのこと盛りますか。)
(え?)
たとえ世界はちがくとも…
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遅くなりすいません!
そして長くなってしまいました!
あれなんです、生きてるほうの政宗のほうは武田と同盟を組んでいるけど死んでしまったほうの政宗のほうは組んでいない。
→甲賀忍は薬草に通じてるっていうかんじでしたので、
フリリクありがとうございました
執筆日 20130912