少しずつ体の感覚が残ってきたからか、だんだんと意識が覚醒して行く。
やっぱりあったかい。

とんとんっと、やさしく背を撫でられる感覚にゆるゆると目を開けていけば、見えてくるのは蝋燭の明かり


それから、大好きな人の優しげな表情。



『先生・・・?』

「おはよう、佐助。
 離してくれないから一緒に寝ちゃった。」

『え、あっ ・・・ いったぁ』

「いきなり起きるからだろ」



それにやってしまったと身体を離したが、とたん体中に走る激痛にまた布団に逆戻りだ。
あぁ、そういえば俺様怪我しまくってんじゃん・・・
なんて思っていたが、怪我の治療やらが済んでるからきっと誰かがやってくれたんだろう。



「ちょっと待ってろ、真田様を呼んでくる。」

『ぅ、え?』

「大丈夫、絶対帰ってくるから。」



でも、先生が俺様の手からすり抜けた瞬間、ぞっとした。
ぬくもりだけ残ってて、まるで、最後の日みたいになって。
こわくて、怖くて、無意識に手を伸ばしてしまえば先生はその手にそっと口付けをして笑顔を向けてシュっと一瞬にして消えた。

だけど、あの日みたいに蝋燭は消えなくて燃えたままで・・・灯りは残ってて不思議とホッとした。






*-*-*-*-*-*-*-*-*-*


『旦那、先生、
 また何やってんのさ・・・』

「おぉ、佐助!
 実はまたお館さまと修行をしていてな!」



怪我はまだ全快して無い。
そのせいか真田の旦那は俺様に仕事を回してくんないし・・・

女中の真似事をして手伝いはしているが、ボロボロになった庭に頬を引くつかせた。
いつもは俺様がやっている光景だが、それをやっていたのは先生で、


スタスタと先生の近くまで寄って荷物を持った。



『もう、先生はこんなことしなくていいんだよ!』

「大切な愛弟子を助けてくれた若虎様の頼みとあったら仕方ないだろう?」

『旦那も旦那だよ!』

「す、すまぬ・・・」


先生がこんなことする必要ないのにそんなこと言うんだもん。
むっとしちゃうじゃないか。



「おぉ、そうだ佐助!
 終夜殿に聞いたのだが、佐助と終夜殿はただの師弟関係ではないのだろう!

 佐助がずっと俺に言っていたどんなに頑張っても届かない相手とやらが」

『ちょおおお!!旦那!!』

「俺は応援するぞ!」



何を!?

なんて突っ込みは入れたけど、先生は笑うばっかりで真田の旦那はいつものようにお館さばぁああ!!っと叫びながらどっかいってしまったし・・
まぁ、どうせ大将のところだけれど・・・



『ご、ごめんね。』

「いや、佐助は良い主に会えたんだな。」

『う、うん・・・ でも、全部先生のおかげだよ!
 先生が、俺様を助けてくれたから・・・でもね、でもね先生・・・』

「し、その後はいいよ、


 俺も同じ気持ちだからね。」


小さく謝ったけど、でもその前にそっと唇に先生の指が触れて目をつむってしまった。



*-*そのまま、そのまま*-*

(さぁて、早くこれを終らせてかすがちゃんや颯斗のところに行こうか)
《うん。そうだね。》
(あれ、そういえば佐助は風魔小太郎って知ってるか? 颯斗の弟子らしいんだが)
《・・はぁ!?》



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ワイワイとした感じといえばこれしか思いつかないという・・・ 
でも、なんかちょっとイメージが違った気がします・・・
ご期待に添えてれば嬉しいのですが・・・

このたびはフリリクありがとうございました!

執筆日 20130622






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