ヒョイッと、軽々抱き上げられて運ばれる、
あの日、出会った日のように・・軽々と・・・


歩くのも辛いから本当に良かったんだけど・・・でも、それじゃぁ先生の顔はあまり見えなくって・・・

だけど、あったかくって・・・嬉しくて・・・。



「佐助。 なぁ、かすがは・・・」

『かすが・・かすがなら、上杉に・・・』

「上杉・・・っつーことは軍神か」



ひょいっと私を覗き込むこちらも懐かしい颯斗さんに疲れ果てて、でも、しっかりと伝える。
懐かしいから・・・多分、こんなに気持ち良いんだ・・・

だから、こんなにねむたいんだ。



「佐助、少し寝てしまいな。
 血も流しすぎた、できるだけおやすみ」

『は、い・・・』



うとうとと、したけど、でも、先生とまた別れるなんて嫌で・・・
先生の戦装束を握って眠りについた





(愛されてんな、終夜。血まみれなのに、ボロボロなのに離すまいとして・・・)
(ずっと、寂しい思いをさせてしまったからな)



執筆日 20130622






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