かすがに連れられて半ば本気で走った。
本当、いきなりだったから転ぶかと思ったけど、屋上から下駄箱まで走った。


そして、下駄箱につけば、かすがは俺様の手を離してそして懐かしい銀色の人の下へと飛びついた。
その隣には、


その隣には・・・




『せん・・せ・・・?』



黒髪の、俺様の大好きな人。
俺様の声に振り返ったその人はひどく驚いた顔をしていたけれど、でも、とんっと、颯斗さんが先生の背中を押して本当に、小さな一歩だけ俺様に近づいた。

ただ、それだけだったのに



『っ先生!!』



上履きだったのも忘れて、先生に飛びついた。
あのときよりも身長が高くなったから先生に近づけた気がして、凄く嬉しい、



「っ佐助・・・」



それから、背中に回ったその手に、嬉しくて、ぎゅぅっと余計に抱きついた。
あぁ、あぁ、本当に、




『っく・・・せんせ・・・ぇ・・・っ』




嬉しくて、嬉しくて仕方なくて、涙が溢れて止まらない。
ずっとずっと先生を待ってたんだ。

死んで、それからまた生き返って、それで、でも、会えなくて



本当に、本当に



「・・・おい、何やってんだ猿飛。」

『っ片倉の旦那、今ぐらい見逃してよ!!!』



嬉しくて仕方ないってのにさ!
なのに、なんでこう、人が集ってくるのかな!

片倉の旦那はまだ分かるよ! だって教師だから!
でもさ、竜の旦那はいる必要ないよね!

それに前田の風来坊とかただの野次馬でしょ!!

そう思って追い掛け回そうとしたが、
ぐいっと、手をひかれて、そのまままた先生の腕の中に納まった



「あはー、すいません。
 片倉サン、ちょっと今だけは見逃してくれませんかね?

 大切な大切な「教え子」なんで」



それから、耳元で、言われた言葉に酷くまた涙が出そうになった。
それに苦笑いしたのは竜の旦那で、片倉の旦那の肩にポンっと一回手を置いて去っていく。



「・・・ったく・・・猿飛。 体調不良ってことで考えてやる」

『っ片倉の旦那!』



でも聞こえたのはその言葉。
あの堅物の片倉の旦那が許してくれるなんて思わなかった。



「へー、じゃぁ佐助とかすがの良い人ってことか!
 俺は謙信のとこいってこよーっと」

「っまて慶次!!
  あ、あぅ、その・・・」

「はは、俺も知りたいな、かすがのことを俺が死んだ後に見てくれた人を。
 それにもう一人の弟子も探したいし、

 あんないしてくれな、かすが」

「っはい!」



でも、ま、
前田の風来坊はほっといても良いんだよね?

なんて考えてたらくいっと顔を上げられて、そのあと、唇にあったかい感触と先生のドアップ。

すぐに離れたけどあわあわとして顔が真っ赤になる、
先生はそんなの無視してて、本当、周りの事とかきにしないでまた、くっついた。




*-*巡る未来*-*


《あ、ぅ、ぅ・・せんせ・・・っ》
(顔真っ赤だね、佐助。でも、あえてよかったよ)
《え、あ、あの・・・ッ》
(佐助、あのときの返事は佐助の卒業の日に)
《っは、はい!》





*-*-*-*-*-*-*-*-
真田の旦那の出番が少ない!
ちなみに、裏設定だと真田の旦那が颯斗に情報を流しました←
ラブラブしてた?かちょっと微妙です・・・
ご期待に添えてれば嬉しいのですが・・・

このたびはフリリクありがとうございました!


執筆日 20130616






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