赤い血黙りに、いつもの忍装になって血まみれになった俺様。
ポタポタと・・・大手裏剣から新しい血の雫が落ちていく。
あーぁ・・・やっぱ・・・俺様は死ぬしか無いみたい・・・。
生きてても意味無いっしょ・・・こんな殺人鬼・・・
視線だけ後ろに向ければ、あの男は驚いたように俺様を見ていた。
返り血を浴びないようにかぶせた、着流しは、血しぶきを浴びて、血の斑点が付いてる。
でも・・・返り血は浴びてないみたいだ。
『あー・・・こんなんじゃ俺様町になんて降りれないし、悪いけど、一人で行ってくれるかな。』
「ひ・・・」
『うん・・・ごめん・・・
アンタを怖がらせるだけになった・・・ごめん・・・』
クルリ、っと身をひるがえして歩き出そうとした。
でも、それは叶わない。
「っ待ってくだされ!!」
『ぁ!』
グっと手を引かれて反動で短剣が落ちる。
大切な、先生との、つながり・・・っ
だけど動かない、身体、ストンっと、座り込んでしまったが、すぐ横に、俺様とは違う茶髪。
「っ怖がって・・などいない!」
『・・・だったら何。』
「何故・・・何故、某を・・・護ってくれたのだ!
いまあったばっかりであろう?
なのに、何故、己の手を汚してまで・・・っなぜ・・・っ」
そして、放たれた言葉に、キョトンッとしてしまう。
己の手を汚してまでって・・・
あー・・・そっか・・・
『別に・・・俺様、誰にも使役されて無い忍だもん・・・
この手が汚れようと、関係ないでしょ、あんたにはさぁ・・・』
いい加減、離してくんない?
なんていってるのに、離してくれなくて、
久しぶりに感じた人の温かさにさっき止めた涙がまた出てきそうだった。
「っならば、」
拝啓、遠くに居る我が先生へ・・・
そばに行きたかったけど・・・もうちょっと時間がかかりそうです。
俺様、ちょっとわがままで、小さなこの新しい主に、使えることにしたから・・・
結局、先生へのこの想いは届かなかったけどさ・・・
俺様・・・
空を見上げて・・・
一度は、死を望んだその少女は・・・
生きることを、決めました
『後悔は、してないんだ・・・
先生、俺様を生かしてくれて・・・ありがとう・・・。』
*-*Fin*-*