戦場で背中合わせに立つことはあったが、

背中合わせで座ったのは初めてだった。


まぁ・・・いい・・・

どうせもう、終わるのだから・・・



「ゲホ・・・なんか・・・どうしようもない・・・人生だったなぁ・・・」

「っ・・あぁ・・・」



だが、俺たちはまだいいほうだ。
いや・・・見かたを帰れば最悪な終りだ、味方から殺されるなんてな・・・


でも・・・最期・・・


こうして戦場で・・・死ねるのは本望だ。



しかも、唯一無二の友と・・・ともに・・・



「最初・・・」

「ん・・?」

「覚えてるか・・・初めてあった日のこと・・・」




死に際に、記憶が流れていく、というのはどうやら本当らしい。
へらリっと笑ってしまったが、「あぁ、」と返されて空を見上げる。



「「お前には、負けない。」」



そしてどちらともなく吐き出したその言葉。
それに、また、笑った。


初めてあったあの日・・・。


俺たちは互いにそう言って・・・一度別れた。
次に会ったのは戦場。

俺たちは同じ隊に配属されていたが、そこで口論。
結局、競うように戦場に行って、敵に囲まれて、お陀仏だーなんて、考えた。

でも、颯斗は諦めてなかった。



「俺が先に術を仕掛ける。稼げたとしても、数秒あればいいか?」



そう言った颯斗の目は、俺を信用していた。
それからだ、競う内容が変わっていったのは・・・



でも・・・今日で・・・それも終りだ。




「俺・・・終夜にあえてよかったよ・・・」

「・・・同じく・・・」

「結局・・・お前には負けっぱなし・・・
           でも・・・楽しかった・・・・。」



颯斗が言葉を紡いでく・・・

つんっと目の奥が痛くなった。


雨が降ればいいのにな・・・ 何て・・・想った・・・

でも・・・もうあんまり関係ないか・・・




「俺もだ・・・」




俺も楽しかった。












「輪廻とか・・・信じねぇけど・・・もし、来世があったら・・・・忘れんな・・・」


「お前も・・な・・・」


「はは・・・だな・・・」









頬に流れていくのは、振り出した雨かそれとも否か。




戦場の一角。
誰にも看取られず・・・






二人の青年は、安らかな眠りについた。





血まみれになりながらも・・・

体中傷ついていても・・・








二人は、ただ・・・









安らかに、眠っていた。






執筆20130128





×