後もう少し・・・
それは任務完了に対してか・・・否、別のものか・・・
「くそ、後ろにもいるぞ!!!」
「罠か!!」
どうやら・・・颯斗も合流したらしい。
軍の人数が増えたのを確認して、身をひるがえし、パチンっと指を鳴らせば一箇所にまとまるように仕掛けた火薬が爆発し、敵軍から驚きの声が上がる。
奥で、銀色が掠めたのを見て、あぁ、時間か・・・なんて・・・思った。
ぐっと回転をして武器を飛ばす。
そして敵を殺していく。
黒い衣に赤い血はあまり目立たないが、地面には濡れていくのがはっきりと分かる。
中央まで来れば颯斗が俺を見て笑った。
それに、俺も笑う、
タンッと最後の一歩を踏み出したとき、
颯斗と背合わせになった。
これは・・・あの時と一緒だ。
俺と・・・颯斗が意気投合したときと・・・一緒。
あの日も、こんな大勢でよってたかって囲まれて、
まだ好敵手としても考えていなかった颯斗と二人、そこに居た。
そこで、俺と颯斗は絆を結んだ。
それから、俺と颯斗は上下関係なく、今の関係になったんだ・・・。
「はは、なんか昔に戻ったみてぇだな。」
「なつかしいな・・・」
「あぁ・・・ そうだな・・・」
背あわせで笑い合って、あのときと同じ術式を刻む。
始まりを、終りとする
それもいい、終端だと思うんだよな・・・
敵を倒し、血に濡れていく銀色の髪、
それを横目に、互いに息を合わせ、振り上げられた刃を腕ごと落とす。
後、少しだ・・・・
パァン!!
響いた銃声。
「が、」
「!颯斗」
一番に貫かれたのは颯斗。
それを合図に空気を振るわせる銃声に、俺の身体も多く貫かれ、敵の兵も多く散った。
グラリっと、視界がかすんで膝をつく。
ゲホっと咳き込めば血が吹きだし、止まらない。
「は、は・・・やっぱ一番邪魔なのか・・・俺たちは・・・」
「っぽい・・・なぁ・・・」
トンっと背中にかかった重心。
撃たれた箇所に響いて痛みが走った。
が、ずるずると颯斗が俺の背中に力がかかってくるから、俺も、背を預けた
執筆20130127