なるべく、その子を一人にしないようにした。
一人で居させたら、きっと狂ってしまうから・・・・・・


そういえば・・・



「なぁ、お前名前は?」



俺は、この子の名前を俺は知らない。
だから、そう聞けば・・・



ヒュンっとクナイが投げられた。

さすがに交わしたけれど頬が切れた。

でも笑ってみせて



「俺は、猿飛終夜な。」



そう、俺の名を言えば、むっとマユをひそめた。
「お前は?」と聞いて見せるが、俺を睨んだ



『・・・別に名前なんて要らないでしょ
 お前が俺様を殺すか、俺様がお前を殺すんだから・・・』



そしてクルクルと手元でクナイをまわしている。

それから、止めて、こっちを見た。



ここに居るのは俺と、この子の二人。


だから、この静かな空間にひとつひとつの物音がはっきりわかる。



『さっさと、殺すか、殺されてよ。
 猿飛終夜。


 あぁ、そうだ、俺様のこと、名前で呼べないと不便だよね


 だったら「化け物」って呼べばいいよ。
 その代わり呼んだら殺す。』



多分、相当心の傷が深いんだろうな。
だから、そんなことを言う。


その笑顔が、酷く、「似ていた」










昔の、俺に。








執筆20130124






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