北の衆。

それは生粋の忍一族。
俺の忍隊にも、北の衆の出身の奴等が居る。


だが、そう多く面識はなかった


けれど、その事態に、驚きが隠せなかったのも事実。



血の匂い。


たまたま、その近くを通ったときだった。




「終夜?」

「・・・颯斗、悪い、
 ここから別行動をする。
 隊のやつらを頼む。」

「・・・はぁ・・・わかったよ。」




俺のそのわずかな違和感を感じ取ったのは隣を走っていた颯斗だった。

そんな颯斗にそういえば、きょとんっとして、でもはぁっとため息を付いて、ちゃんと返してくれる。

一言、「ありがとう」といって、



そこから強く、地面を蹴った。
















北の衆の集落へと到着すれば、驚く光景が広がっていた。

今の世。

最強と謳われている北の衆。

それが、今、血と、死肉の転がる地獄絵図へと変わり果てている。



・・・なんだ・・・これ・・・



「(攻め込まれたのか・・・?)」



それにしては、殺し方が雑だ。

無駄な切口が多い。


まるで、ただの暴走のような・・・


それに・・・こいつら・・・誰一人として武器を持っていない・・・奇襲・・・?

いや、忍の集落だ、奇襲に気がつかないわけが無い。



だったら・・・ 何故・・・



そう思いつつ、足を進める。


雨足は相変わらず強いが、だが、血の匂いは耐えない。



そして、集落の奥。



そこが、一番、酷かった。





足元がすべて血で覆われ、元はたいまつを立てるためのものでろうそれは無残に倒れ、

切り刻まれた肉塊。


俺にとっては見慣れた光景だが、新人の奴等が見たら確実に何かしら起こすだろう。



だが、そこに不釣合いな・・・



中央に、大人一人入ってぎりぎりぐらいな檻。



中を、覗き込めば、そこに居たのは鮮やかな夕日色の髪をもつ





「子供・・・?」



小さな、幼子が居た。






執筆日 20130124






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