気がついたときには、周りは血のにおいしかなかった。




手足のもげたもの、


       目玉の飛び出てるの



           内臓を晒してるの



首が飛んでるの




               体がありえない方向に曲がってるの





全部、全部








元人間だ





物言えぬ、死者じゃないか・・・






『・・・』





あのまま、殺されていれば、俺様、死ねたのに・・・


でも、どうせ、俺様は死ぬんだ。



その死に方は分からない・・・



敵が来るかもしれない、



このまま餓えるか、



痛い思いをするのか・・・






雨はただ、俺様を濡らす。



あぁ・・・人ってもろいなぁ・・・・





簡単に壊れるんなら、猿と一緒だって・・・












次の日も、雨は止まなかった。


冷たい檻に寄り掛かって、目をつぶる。




においはそのまま、さっきまで餓えた肉食の鳥達が死肉をあさってた。





「・・・・子供・・・?」




そんな、俺様にかけられたのは、男の声。


ゆっくりと目を開けば、目が会った。



俺様が生きているとわかったからか、その男は近づいてくる。




「大丈夫か?今、出してやるからな。」




それから、そういわれたけれど、それよりも、俺様は・・・






ポタリ・・・ぽたりと・・・・




髪から、雫がこぼれおちる、

口を動かしているからか、それを聞き取ろうと、檻の前まできて、そして、耳を済ませていた。


この人・・・へんなの・・・








さっさと・・・殺してよ・・・







執筆日 20130121






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