アレは雨の日だった。
俺様は、そのとき、北の衆って言う、異名の一族が住んでいた里に居た。
先生に後から聞いた話、生粋の殺しの一族。
今で言う、雑賀衆みたいな感じかな・・・。
だから、俺様のこの髪の色は異端だった。
でも、両親はそれでも、俺様を愛してくれた。
髪の色なんて、関係ない。
自分達の大切な子供だって・・・ずっといってくれてたんだ・・・
でもね・・・あの雨の日・・・
「化け物を殺せ!!! あいつを生んだ親どももだ!」
小さな檻に、押し込められるように、俺様は放り込まれた。
子供だったから、泣き叫ぶことしか出来なかった。
力も無い、抗えない・・・
「ごめんね」
そう言って母さんは死んだ。
でも、笑ってた。
「生きろ」
そう父さんは言って、首をはねられた。
最期まで大きい人だった。
目の前でグチャグチャの赤い肉塊に変わっていく二人。
もう、叫ぶことも、泣くことも出来なかった
「次はお前だ。」
血に濡れた刀の切っ先が、俺様に向かった
あぁ、そうだよ、もう、やだ、
俺様のせいで全てが壊れるなら
殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せッ!!!
そうだ、俺様なんて
死ねばいい
執筆日 20130121