かすがは、泣いた。
でも、俺様は泣かなかった。
二人で、このことは先生と颯斗さんには絶対に言わない約束をした。
でも、きっと先生達は知ってる。
二人は、未来を知る力があるから・・・きっと・・・知っているだろう・・・
だけど・・・話さない。
俺様たちが、知っているなんて、先生達は知らないから、話さない。
困らせないために、話さない。
そう決めたんだ、かすがと・・・どうなるか分からないけれど・・・
かすがは、泣きつかれて寝てしまった、
そんなかすがを背負って、先生達のいる、その場所に帰れば、二人とも同じ表情で迎えてくれた。
ねぇ、先生・・・颯斗さん・・・
「どうしたんだ、かすが」
『日向ぼっこしてたら寝ちゃったんだ。
だから連れてきた。』
「日ごろの疲れって奴か。
あんまりいじめんなよ、颯斗」
「別にいじめてねぇっての。」
へらり、と俺もいつものように、先生達と同じ表情をする、
そういえば、俺様・・・
先生の笑顔は見たことあっても・・・
泣き顔は見たこと・・・ないや・・・
結局、目を覚まさなかったかすがは、颯斗さんに抱っこされて帰っていった。
俺様も、先生に抱きついたけど、先生はいつもどうりだった。
だから俺様もいつもどうりに振舞ってみた。
ねぇ、先生。
どうか、その笑顔のままで居てよ・・・
死ぬこと、
知ってるなんて、
いわないで・・・っ
知ってるなんて、
いわないで・・・っ
執筆日 20130120