任務が終わったのは丁度日が昇り始めた頃。
いつもの道をいつもよりスピードを出して走る。
空中で颯斗が、新型の忍び具を使って飛んでいる。
大方、俺と同じで自分の教え子の下へ急いでいるんだろう。
まぁ、今はそんなこと気にするよりも、足を動かした。
見慣れた道を、走って、
けれど、佐助の気配を感じて、スピードを落とす。
瞬間、見えたその色に、手を伸ばそうとしたが、
その手を、引いた。
ドサッっと俺が居た場所に転んだ佐助。
手を伸ばそうとしたが・・・
駄目だ、と心が警戒音を発した。
「佐助、修行が足りないな。」
『っ先生!』
けれど、佐助にそういえば、この近距離。
バッと、伸ばされたその手は俺の身体に巻きついた、
ぎゅぅっと俺から見れば、小さな身体で、俺に抱きつく。
これだから、俺は佐助を手放せないのかもしれない。
きっと、
お前は気がつくことはないな
俺の気持ちに、
だから、俺は、お前の最高の師であり続ける。
お前の持っている、忌々しい過去を、覆うような・・・
そんな、存在になってやる。
*-*tobenext*-*
執筆日 20130119