*-*Jiro Side*-*
景の様子がおかしいことは知ってた。だってずっとずっと見てたんだ。一人でいる景を、ずっとずっと寝たフリしてずっと見てた。
景は変わった。前より表情もなにも柔らかくなった。俺が寝てても文句は言わなくなったし、みんなにも優しくなった。
でもそれは生徒会をやめてからしばらくたった頃だ。
なんで、生徒会をやめたんだろうって凄い疑問だったけど、それは気を付けろって言われてる事件のせいだった。
景がそんなことするなんて正直考え付かねーC、第一自分より他人に気を使って生きている景にそんなことできるなんて思わない。
それは中学からずっと景を見てるから俺もテニス部のみんなも知ってる。
ま、勝手に出ていった連中は景の上部だけ見てたってことでしょ?バカだなって思う。
だけど俺は景と一緒に居れるようになったから、全然嬉かったけど、でもね、怖かったんだ。
景がどこか行っちゃうんじゃないかって・・・。
「景!!」
見えたその後ろ姿が今にも消えてしまうんじゃないかって思わず声を張り上げた。
もうすぐ景が消えちゃうんじゃないかって…すごい…怖いんだC…
だから背中を見て、飛びついた。
それに驚いたように身体を震わせた景だけれど、俺を見て、目の前のパソコンすぐに閉じた。
ねぇ、景どうして、そんな顔をしているの?
まるで…本当に…消えちゃうみたいな…。
ぎゅぅっと抱きしめて力をこめる。
『ジロー…どうした…?』
「っ…景…行かないで」
そして、吐き出せば、景の手が俺の頭を撫でた。あったかくて優しい手。いつもみんなを引っ張ってくれる手。
ぽろぽろと、不思議と涙が出る。
『ジロー、泣くな。大丈夫よ。』
「ひっく、景…っ 俺を、ずぅっと景のそばにEさせて…っ」
22 騎士の願い
それは直感それとも・・・
再1904
←
→
list
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -