そろそろすべてを終わらせてやろう。
そう決意して。女王は美しいドレスを脱ぎ差って。そうして剣を手にしました。
裏方としての仕事はあまりしない。だが、その危機の使い方はあらかた頭に入っている。
体育館。放送室のなかで明日の準備をする・
DVDプレイヤーをセットし、カーテンを閉め、そして電気を消した。
外は雨が降っている。黒い空から、雨が。水曜日の明日は大体の部活が休みだ。明日が、最後になるだろう。この悲劇を喜劇と呼ぶかのものへ宣戦布告はしておいた。
『手伝わせて悪いな、向日、宍戸。』
「ダイジョーブだって! 暇だったし!な!」
「あぁ、気にすることじゃねぇよ。」
雨が降ってしまえば新星テニス部と名前だけの連中がインドアコートを貸しきってお遊びテニスをおっぱじめるから部員たちは解散させる。
もちろん希望者には跡部財閥で管理しているインドアテニスコートを無料で解放してはいるが、レギュラー陣は私が何かしていることを嗅ぎ付けていた。だからこそ、手伝ってくれているのだろう。それは心底ありがたい。彼らも、もちろん大会はあるというのに。大切な、私の仲間だ。二人だけじゃない。
「景ー!おっつかれー!」
「飲み物買ってきました。」
扉が盛大に開いて私へ飛びついてくるのはジローだ。その後ろから飲み物がそれなりに入った袋を片手に笑う鳳がやってくる。
ガサガサとそれなりに広いテーブルに買ってきたであろう菓子やペットボトルをおいていきながら小休憩をとっていれば今度は静かなノック。
誰かのおおよそついていた。
「景ちゃん、ビンゴや、言うたとおりやったわ」
「・・・コレ・・・犯罪ですよね・・・」
入ってきたのは難しい顔をする侑士に同行させていた正義感の強い若。二人には榊監督から用意していただいたDVDをうけとりにいってもらっていた。
おそらくそこで内容を少しでもみたんだろう。だからこそ、この様子なのだろうと仮定する
今ここにいない樺地は生徒会の監視をしている。無論、心配だからだ・・・今の氷帝が・・・
『遠出させて悪かったな。侑士、若 ・・・明日で全部終わらせるから・・・』
そう、これで本当に最後だ。たとえ、裏切ることになってもだ。これで・・・終りだ・・・
『・・・悪かった・・・』
全部、いまなら捨てられそうだ。
地位も、金も・・・仲間のためなら・・・それぐらい・・・こいつ等は私にとって大切なもの・・・。
19 黒い雨
それは、空の色に染まる雨の色。そして、それは・・・
新たに作られていく世界の理でさえも壊していく
再1904
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