#Side Tsunayosi

雲雀さんに手を伸ばしたフリージアは俺の知らないなつみそのものだった。いやそもそも、俺には絶対に見せない弱りきった顔だったから余計なんだろう。実の兄なのに、俺はその表情をみることなんてない。
頼ってほしいと思うのがそもそもの間違いなのかもしれないけれど。


「リボーン、そろそろ雪の守護者について教えてよ。」


あの現象はまるで初代大空、T世の技である零地点突破のあの氷と一緒だ。
だから炎に反応して溶けたり、凍らせたりができるんだろう。それが、一番に反応するのが雲の炎と言うだけ。

 ただ、ここまで大事になって、リボーンが黙っているのが、おかしい。
そろそろ俺も、知りたいのだ。知って、なにかできるかと言われればきっと否だけれど、せめて、知るだけ知りたい。


「ツナ、先にいっておく。 フリージア…なつみはまだ正式に雪の守護者になったわけじゃねぇ。 そして、過去なぜ雪の守護者がいなかったのか、それには初代雪の守護者の宿命が関わってる。」
「初代?」
「初代雪の守護者は、奇病を患っていた。それは、雪の炎の影響もあったが、初代守護者たちは、何よりも、危惧してたんだ。初代の身に危険が迫るのを、それは雪の守護者同じだった」


かちゃりと、ちいさな音が耳に届いた。その目は俺ではなく外。月明かりが照らす中庭に向けられている。
そこは、ひどく美しいガーデニングテラスだ。この建物ができたときからあると言われているその場所は、それもあってアンティークのものが多かったり、珍しい花が咲いていたりもする。
俺は、あまりいかない場所だけれど。


「初代雪の守護者は、守護者たちとは仲がわるい訳じゃなかったんだ。むしろ、アラウディとの橋渡しをしているぐらいファミリーのなかではしっかりとした立場だった。
だが、自警団時代のボンゴレは常に危険と隣り合わせ。その抗争に巻き込まれた町の住人を庇って、瀕死の重症をおったらしい。」


リボーンの目はひどく後悔をはらんでいた。
彼女が生きていると知ったときのリボーンはひどく怪訝そうな顔をしていたから余計なんだろう。


「数年、眠ったままだったそうだ。アラウディはその間、ずっとボンゴレに籍をおいて、その間にボンゴレは自警団からマフィアになった。もちろん、「雪」の席は目を覚ました時に、彼女の居場所になるはずだった。だが、目を覚ました彼女は、雪の炎に蝕まれていた。その影響かはわからねぇが、彼女の体の成長も数年止まっていたらしい。」
「え。それって」
「あぁ、なつみとおんなじだ。」


リボーンのことだ、頭のなかに資料がはいってるんだろう。そのなかでもたくさんの可能性を探して、いろいろ模索してくれていたに違いない。
いつもリボーンはそうだった。


「正直、なつみをボンゴレにいれるつもりもなかった。だが、あいつが消えたあと、氷付けにされていた雪のリングが解き放たれて、お前の手にわたった。お前たちが初代守護者にもっとも近いと言われた所以だろうな。」
「…その初代雪の守護者の人は、どうなったの。」
「自ら命を絶った。と言われている。」


あぁ、そうだよね。
わかりきったことだ。そう感じてしまったのは、きっとボンゴレの血のせい。こんな冷たい気持ちでいるのも、きっとそうなんだろう。いつから俺はこんなに冷たい人間になったのだろうか。


「おそらく、アラウディがそのいどころを知ってたんだろうが、あいにくそこらへんの資料は先に雲雀がもっていっちまったからな。」
「なつみのことになると、雲雀さんはすごいからね。」
「あぁ、そうだな。」
「…俺は、いつも雲雀さんには勝てないんだ」
「しかたねぇ。雪は暖かいと溶けちまう。だから雲が隠して守ってやってんだ。かてるわきゃねぇだろ」
「そこは少しは励ましてくれよ。」



20190228




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