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お見舞いに来てくれた桃君は激おこだった。
なんて笑い話にできればよかったのだが笑い話にできなかったのはその後ろに不二さんがいたからだ。越前くんならとおもってはいたのだが、なぜに不二さんがいるのだ.
「やあ、久しぶりかな。」
『いやそうでもないかと思いますが、、、』
にこりと笑顔を向けられるのだがいかせんその笑顔が黒い気がするのは私だけじゃないはずだ。「桃から君が入院したって聞いてこれでもすごく驚いたんだよ」なんて続け様に言われれば苦笑いしかこぼれてこない。
越前くんはポンタ飲んで平然としてるし、本当に勘弁してくれと思ったところで誰も助けてはくれないだろう。解せない。
「キミは、女の子なんだから。」
ぽんっと、優しく頭を撫でられる。
それにキョトンっとしてしまうのだが、それそこそ彼が私に向けるのは、慈しみのこもった瞳。
「にしてもいいよなぁ大阪。ってかひとりでいったんだろ?すげぇよな。すげぇよ。」
「俺は一人でアメリカ行くけどね。」
「お前はいきなれてんだろ?」
後ろで桃君と越前君が話しているが、一人で大阪に言ったわけではない。ということは伏せておくことのする。
「そういえば、これ、どうすんだ?」
考えていれば桃君がそういった。
そういえばと彼の方をむけばたしかに彼は私の頼んだものを買ってきてくれていたらしい。
心底。ありがたい。
いかせん、ここでは材料がないからどうすることもできなかった。
『ありがとう、桃君』
作るのははじめてだけれどうまくいくのだろうか。
ーーそれは悪夢をはらう、おまじない。
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