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-「なんや、これ」


ロッカーを開けて、一番に呟いたのは部長である白石だった。その原因はロッカーを開けた際に落ちた一枚の紙。

それには不思議な陣が書かれている。だれも、見たことないような難しい文字が羅列しているもの。


「あ、俺んところにもはいっとるわ」
「なんやろな、これ」


紙を手に、二人は首をかしげた、否、二人はこの紙の正体を知っている、いわば仕掛け人。後輩思いなやさしい先輩だ。


「白石、知っとるか?」
「いや、謙也も知らんか?」
「おん」


二人とも自然に首を傾げつつ、さりげなく周りの様子を探る。

自然に部員を観察できる人物。ということで、モニカからこの作戦と詳細を告げられた。


「なんや、不気味やなぁ・・・捨ててまうかぁ」
「せやなぁ、 みんなも 「駄目や!!」 うぉ!!」


そして、仕掛けた。ボそりと白石が言った言葉に謙也はみんなに指示を出そうとしたがバッとその紙が奪われる。全員の視線が、大声を上げて白石から紙を奪った少年に向けられた。


「ど、どないしたんや、いきなり!」


驚きに満ちた中に紙を奪われた謙也が声を上げる。
だが、当の本人はそんなことは聞こえないように、ぼそぼそと何かをつぶやき始める。

だれもがなんだと思っただろう。


「捨てたりしたら、呪われる呪われる呪われる呪われるのろわれろ!!!!!!!
「っ皆外にでぇ!!」


だんだんと声は大きくなっていき、そして最終的には叫んだ。今度は白石が声を張り上げる。

狂ったように叫ぶその少年の目は、赤く血走っていた、唖然としてた部員たちを押して部室の外に追い出した。
最後に飛び出したのは白石本人であり、出たと同時に扉を閉めた。




『白石さん、離れてください!』



彼が離れたと同時にばしゃりと扉に水をかけた。すでに部室の回りには盛塩をしてある
一つ息を吐けば中から叫び声のような何かが聞こえたが盛大に無視しよう。隣で驚いている白石さんもだ。


「安心しぃ、白石、モニカはほんまもんのお偉いさんや。」
『変にハードルあげないでよ、オサムちゃん』


満面の笑みでそう言ったオサムちゃんにちょっとイラッとしたがまぁしかたないだろう
ふぅっと息を吐いて閉じた瞳を開いた。


「どんな状況やった?」
「いや、なんちゅーやろ・・・切原君っぽい感じや。」
『え?』
「あぁ、立海大中の二年生で怒ると眼が充血して赤くなるんや」
『へ、へぇ・・・』


それから言われた言葉に苦笑い
まぁ、立海大・・あ、立海大って柳生さんが居るところだ。あと丸井さんと桑原さん。そういえば、彼らはあの後どうしただろうか、なんて今はどうでもいいけれど・・。


『で、どうする、オサムちゃん』


問題は此処からだ結界に閉じ込めたはいいがずっとというわけには行かない。


「・・・最悪禁書は燃やす。」
『は?』
「禁書を燃やせば後から呪はどうにかする、やけど洗脳は解けるやろう」
『そう、だけど』


だけど言われた言葉に変な声を上げてしまったがでも、オサムちゃんの目はまっすぐ今は閉鎖している部室を見ている

禁書は大切なものだろう、たとえ、禁じられたものであろうと大切なものだから。


「俺は、傷つけることしかできん。今一番危ないんわ呪を代替わりしとるモニカやからな。」
『私は大丈夫。 一人でも多く救いたいだけ、』


だから、できれば、


『禁書も、大切だからね、ギリギリまで、いいよ』





*-*Shiraishi Side*-*


『オサムちゃん、準備はいい?』
「あぁ、いけるで」


部室の前で、そう行き込んどる二人。中には、さっき狂ったように紙を謙也から奪った後輩がおる。それだけなんに・・・まるで戦場に行くみたいな・・あれや・・威圧感がハンパ無い


「あ、あの・・・」


やけど、そんな二人をよそに、謙也が声をかけた。
まじKYや、あぁ、やから謙也なんか



「どした、謙也」
「・・・呪や、ゆぅたろ?それって・・・解けるんよな?」


なんて、思ったんに、謙也がいうたんはその言葉やった。あぁ、さっきの発言取り消しや

ほんま、可愛そうなくらいお人よしやな・・・謙也は


『もちろんですよ。いや、絶対に戻す。』


それに、こん子もや。なんちゅー強い目をしとんのや・・・何も怖いものは無い
そんな、目を・・・


「せやな、はよ終わらせな」
『何があっても、扉をあけないで下さいね。』


もう、何もいう必要はあらへんって感じで、二人は部室の扉に手をかけた
そして、消える。部室の、扉をくぐって。



「っ大丈夫・・・やろか・・」
「なぁに心配しとんねん、オサムちゃんに任せれば」
「っちゃう、モニカちゃんのほうや、白石は視えんかったんか?」


モニカちゃんの後ろに、変な影が憑いとったんよ



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