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今から10年ぐらい前。
同じ事件がおきたっておば様から聞いたことがある。

通称、死神メール。

メールは普通のもの。けれど、添付されてる写真は不気味なもの。

ただの洋館。それだけじゃない。
だんだんと近づいてくる、影がある。

それが3通目になった時までに、意味がわかって、拒否しないと…その人は…


古いことだ。ずっとずっと昔で…私の記憶にはないし・・・何よりも私は体験をしたことがない。

でも、おば様は凄く気にしてた。
兄さんの友達が、コレで、消えたから


それが目の前で起こってるっていうのが、すごく疑問…。だけど私がやらなくちゃいけない…。


『・・・意味、分かりますか?』


意味のない数字の羅列かもしれない。
でも、今言われれば納得するし、一昔前は数字で会話をしていた時もある。

だから、素直に口から出ていたのかもしれない。とりあえず場所移動したほうがいいのかな、なんて思ってそのケータイを持ったまま丸井さんの手を引いて歩きだす。

「どういうことだよぃ」と彼から不安そうな疑問も聞こえるし、そこは後で謝ろう。
難しい顔している桑原さんにも。



『・・・564219・・・
        ころしにいく
        殺しに行く』




つぶやくように言った私の言葉に息を飲む音が聞こえた。
お店の中の、非常階段近く。人気のないそこについてから、ケータイを見れば、添付されてた写真が表示されていて、古い洋館とそして窓からこっちを見る影が一つ。

カチカチ、カチカチ

ケータイをいじってそして、目を細める。
私の横から己のケータイを覗き込む丸井さんは、本当に不安そうだが、少しでもケータイが使えるようになっててよかった



『・・・今から10年ほど前、私の兄の友人が、同じようなことに巻き込まれて行方不明になりました。今も、発見されてません。』
「っまさか丸井も…?!」
『・・・何もしなければ。』


カチカチ、またケータイをいじって、返信の画面にする。
それからケータイを彼に向けた。「え。」と私に向けられる目が不安にかられているが、


『行くの反対はなんだと思います?』
「え・・?」
「来る?いや・・・来るな、か?」
『ビンゴですよ、』


ケータイを手に取った彼は私とケータイを交互に見たけれど、隣にいた桑原さんがそういった。それを聞いた丸井さんはすがるようにケータイに打ち込む。数字でないと問題ない、というのは彼は理解しているはずだ。



「967」



たったそれだけ。
けれどそれだけでいいんだ。




【送信完了しました】



ケータイの画面に映し出されたその言葉にはぁっとため息を付いて丸井さんは崩れ落ちる。それに桑原さんはあわてて彼を支えたけれど、彼も安心していた。



「なんだったんだよ・・・っ」
『・・・死神・・・』
「シニガミって、死神?」
『・・・わからない・・・でも・・・』


でも、よかったとだけ、本当にもしもがあったら怖かった。何かある前に終われるのならばそれだけでいい…。

ただ、ケータイは何かしらしたほうがいいとは思うけれど…なぁ…おば様に連絡入れておこうかなぁ…なんて、一回考えを遮断した時、「うわぁあああ!!」なんて突然丸井さんが大げさに、それはそれは大げさに叫ぶから思わず凝視してしまった。


「な・・・なんや・・・何かあったんか?」
「え?丸井君顔真っ青だC!」


そして乾いたように途切れ途切れに声をだしたのは忍足さん、きょとんっとしたのは芥川さんだけれど、丸井さんの顔を見て彼もまた顔を青くした。
桑原さんはそんな丸井さんを慰めてるけどやっぱり、彼はケータイを睨んでいた。


『とりあえず、場所、移動しましょうか?ここ、人目につきますし・・・。』


だから、まぁとりあえず、そう言って、この場から離れるようにそう言った。
さっき丸井さんが叫んだから人目がさらに集まってしまったし、イケメンが増えたことで視線がさらにいたい。


「あぁ、そうだな。」


それに、一番に反応したのは桑原さんでポケットから数珠を出して、手首につけ、そして丸井さんを背負った。

まるで、当たり前のようにその行動を行って、場馴れしているようにすら感じる…
それは……彼も…見えるということだろうか・・・

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