028

青いおもいは心を癒し

そして、

悪意を無に返していく





『・・・』


気がつけば、私は眠っていたらしい、
少し体が重いと感じながらゆっくりと眠気に負けないように瞳を開けば、見えたのは欄間と天井。
ここは、何度も来た事がある、思い出の場所・・・。


「モニカ、目が覚めたんだね。」
『はぎ・・』


しゃっとふすまが開いて顔を見せたのは深い、藍色の浴衣を着た萩で、私を見てふわりと笑うと、そばまで来て、座った。
その合間に、私も身体を起こせばいつの間にか、白いユリの描かれている黒地の浴衣を着ていた。

きっと水帝を呼んだときにぬれてしまったからだと思う

・・・ん?


『萩・・・ 私の事着替えさせたわけないよね?』



服はきっと今乾かしてくれているんだろう。
だったら今の私の服は・・・?



「ふふ、大丈夫だよ、琴音さんがやってくれたから。」



なんて思ったらクスクス笑われてそういわれた。
琴音さん、というのは萩のお兄さんのお嫁さん。

彼女は、ただの「人」。
私たちとは相いれない、「人」



『そ、う』
「前まではきにしなかったのに、モニカもお年頃って奴かな。」
『っ!』
「それとも、好きなことかいるの?」
『!!!!』



ぎょっとする、

萩は、どこまで私を追いつめるんだろうか、
かぁぁっと暑くなってく顔を見られないように下を向けば「やるねー、モニカ」といわれたけれど、でも・・・


『萩、でもね、 失恋決定の恋なんだ。』


もう、「彼」には二度と会えない。
すぅっと顔の赤みが嘘のように引いていく。
そう、もう・・・


『(彼には会えない・・・)』


頬を濡らすのはなんだろう・・・
自業自得なのに…


「・・・詳しくは・・・聞かないほうがいいね、話を変えるよ。モニカ」


私の意志を感じてか、一つ、ため息をこぼして萩はそう言った。
空気がピンっと張り詰める。

私はグイッと涙をぬぐってから萩を見た。

萩は、スっと、「それ」を出す。
それにぎょっとする。
なぜならそれは、一つのお守りだったから。


『それは・・・?』
「ジロー…彼が持っていて、どうした?って聞いたら、拾ったって言っててね」


赤い、けれど少し古ぼけた、でも綺麗なそれ。
どこか、懐かしい
でも・・・


『・・・それ・・・魔よけじゃないよ・・・』
「やるねー、一目で見破るなんて。そうだよ、これは、
魔を寄せ付けるようにすごく悪意がこめられたものだ。


誰が、なんで、こんなことを・・・
想像なんて出来ない、芥川さんはきっと誰にでも好かれるような人。
宍戸さんや、向日さんが、大切に思っている人だから・・・


これ・・・呪いの・・・いっしゅだよ・・・ね・・・?


呪いは詳しくないけれど・・・
詳しくないけれど… っ


『なんでっ・・・こんなっ!!』


酷すぎる。
人を呪えば穴二つ。
ではないけれど…いつ、誰が、なんのために…

そんなことはわからない。


『芥川さんは、器だったんだ…』
「おそらくね、」
『耐えれるわけない…っあんなの、耐えられるはずがない!!』


おそらく、あれは蟲毒。だから動物の霊だったんだ…。
一体、誰を呪おうというのだろう。何が、誰が、なんの、目的でやり始めたのだろう…。
けれど…蟲毒ほど危ないものはないんだ…。


奪ったのは、一体だ〜れだ

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