006



「つ・・・」

兄さんが彼女を消して、早10分ベットの上で眠っていた・・・正しくは気絶していた桃城君がうめき声を上げて、はっとして彼の顔を見れば、彼はゆっくりと眼を開き…

「っうわぁぁあああああああ!!!!」

そして声を…もしくは悲鳴を上げた。顔を真っ青にして、勢いよく体を起こし、ぜぇぜぇと息を整えるように呼吸し、わずかに視線を動かして…その視線は私をとらえる

「っんだよ・・・龍ヶ崎・・・」
『えっ・・・』

私を睨んだ
ドクリ、っと嫌な予感がしてぎゅぅっと目をつむった。どうせ彼が言うのは私に対する罵声だ。ずっとそうされてきたから知ってる
きっと、彼もそう。

ポンッ

でも、私に襲ったのは軽い、頭を撫でるという行為だった恐る恐る顔を上げれば優しく、いつものように人懐っこい笑みを浮かべた彼が居て。

「大丈夫か?」

そして私にそう言った
ポロリ
頬を伝ったのは涙
それに彼は苦笑いをする

「おっおい、いきなり泣き出すのはいけねーな、いけねーよ」

『ひっく、ごめ、ごめんなさいっ』
「ん?」
『巻き込んで、ごめんなさいっ』

そして、わしゃわしゃと私を撫でる。
それでも、ポロポロと涙は止まらない

「さっきの女の子のことか?」

それから彼はそう言って、はっとして顔を上げる、
ぱちり、と視線が合えば、彼はあー・・・っと言葉を濁し、それからまた私を見た

「巻き込まれたなんておもってねーよ。逆に、あいつを追っ払ってくれたんだろ?」

ニコリ、と笑って

「ありがとな、」

彼は最後にそう言ったんだ。でも・・・助けたのは私じゃない・・・
私は…ただ‥


決めた決断


《桃城君、あの、ね》
(にしても、綺麗な目してんな)
《え?》
(今まで隠してたなんて勿体ねーなぁ、勿体ねぇよ。)

真実は告げられないけれど・・・

でも、
私は強くなりたい


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