03
あいつが長期任務に出たのは約三年前のクリスマス前日だった。
出会ったのも、たしかその時期だったと記憶している。あの時も雪が降っていた。
そして。後三週間もすれば出会った日…ということになるんだろう。
それまであいつの命は持つのだろうか…。
「さっさと起きろよ…」
エミの手を握りしめる。
いつ消えるかわからねぇ…起きるかすらわからない、そんな不安定な存在を。
エミの手は前よりも暖かく人肌まで戻ってきているものの…目を覚ますそぶりは全くというほどだ。
「目が覚めたら返事聞かせてやる…だからクリスマスまでには起きろよ?」
そう耳元で言って手を握ったまま眠った
クリスマスまで後一週間
こいつの真実を知ってから二週間
エミ…お前が帰ってきたのは三週間
帰ってきたお前はちゃんと守ったんだよな…
生きて帰ってきたんだよな…?
「お帰り…エミ」
お前の望んだ言葉だろう?俺の望みはお前が目を覚ましてくれること…
お前は俺を守ってくれた…
今度は俺がお前を守るから
*Truth*
(だから,あの日の・・・)
(出会った日の恩返しをさせてくれ)