ななひきめ 3 / 3
ななのさん


「どうしたんだよぃ、あがんねぇの?」


あのあと、明日の練習のことについてちょっとだけミーティングして、解散することになった。
切原くんや仁王くんとかからブン太と一緒に寄り道しないかーって誘われたけどそれを断ってくれたのは彼。
私も話したいことがあったから、実際それはありがたくて。
そのままブン太のおうちへまっすぐ。 今は、玄関前。

私の家はとくに門限はないけど、神奈川から東京に帰るまでは少し距離があるから帰る時間も考えなEといけないしそんなに長くはいらんない。


『あの、ね。 その。』
「ん?」
『ブン太、んーん、丸井くん。そのね。別れて、ほCーの』


雨の音に消えないで、私の声ははっきりと届いたと思う、ブン太が目を見開いたから。


「いきなりどうしたんだよぃ、」
『俺、丸井くんのこと、本当はだいっきらいで』
「おちつけよぃ、」
『ごめんなさいっごめんっ別れてっわかれてくださ』
「ゆめ!!!」
『っ』


ほんとはだいすきなのに、その言葉をいうのが辛くて辛くて涙が頬を伝ってく。
そしたらほっぺに手を置かれて顔を上げられた。真剣なブン太の目と私の目が合う


「ゆめ、お前、気がついてないだろぃ?おまえってさ、嘘つくとき、「私」じゃなくて「俺」っていうの癖になってるんだよぃ」


それからそう言ってコツンッとおでことおでこがぶつかる。


「ゆめ、俺は別れねぇからな、そんな泣きながら嫌いなんて言われて誰が信じるか。」



きょとんっとしたのと、ぽたりっと涙がおちていく。



『うっえっ・・・っく・・』



ポロポロポロポロ、涙がこぼれる。



「わるぃ、気が付けなかった。安心しろぃ、俺はずっとそばに居てやっから」


抱きしめられたら、ブン太の香りが広がって安心する。ぎゅーーってより抱きつけば頭を撫でられた。


『うっあぁあっごめんなさいっごめんなさいごめんなさいぃ!!』
「俺も、ごめんな、なんでも相談してくれよぃ、ゆめ」



ただ、私は抱きついて涙を流すだけだった。















(俺は、世界が敵なろうと、ずっとそばにいてやっから)
(だから、もうそんなつらい顔すんなよぃ)



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