世界の残酷さだった





『(うれしいっ!)』



フロワさん?が時間をくれ、といったのは絵を描くためだった。
それは私の絵で、

ただ座っててくれればいいよ、といわれて、座っていたらさらさらと鉛筆を動かし、そして描いてくれた。

そしてそれをくれたのだ。
時間をくれたお礼だよ、と…

それがうれしくて、


走って家まで帰ったけれど、どうしてか、どうしてか…







嫌な予感がした、気が、した







『ねぇねぇ、見て!』




さっと差し出した、もらった絵。
少しでも笑顔になってほしい、と思ってはいたんだ。


でも、



暗い目と目が、合う。

光の刺さない目。
あまりにも、冷たい、目。




なに…これ…




『え…』




スッと、手に取られた紙。
そして



ビリビリビリビリィイイイ…




『っ!!』




引き裂く音を立てて、紙がどんどんと紙切れに変わっていく。
どうして、どうして?



「こんナので…ナニができるトいウの…?」

『え…』



ゆらりと、立ち上がった。
バキっと意味のわからない音がして、


額に何か冷たいものが付きつけられる。






ナニ…コレ…




何もかもが、遅く見えた。




何かを割る音と、包み込まれる温かさ。

明るすぎる光、

思わず目をとじるけれど、次には、煙。




意味が、わからないよ…。







なんで、こんな、




『…あ……っ』



機械的な音、ノイズ、悲鳴。

赤に染まる



「怖い思いをさせたね。」

『っ…』

「大丈夫だよ」




暖かく包まれて、そしてまた強い光



執筆日 20140816




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