生まれ落ちる、倦まれ落ちる
死を望んだはずだったのに、目が覚めたのは何とも言えない場所だった。
体は縮んでいたけれど、黒髪、黒目…
それは私がもともと持っていたものだった。
けれど、ここはどこだろう。
よくはわからない…
ただ、日本にはない西洋系…っていうことは日本じゃないんだろう。
しかも、ドレスとかめちゃくちゃ動きずらそうな格好をしているし…つまりは時代も違うんじゃないかな…って…
「アイリ。」
『…?』
そういろいろ考えていたら、後ろから「名」が呼ばれた。
それも、もともと私が呼ばれていたものだ。
振り返れば、にこりときれいな黒髪の女の人が私に手を振っている。
その横には似ても似つかない、金髪の男の人。
けれどとても仲が良さそうで、
「おいで、」
きっと、これは日本語ではないんだろう、
けれどもすっと体に染みわたるように内容がわかるから、私はこの人たちとは深い関係にはあるんだろう。
にこにこと両手を広げた男の人のところに、とりあえず飛び込んでみた。
あぁ、そうか、
『(私は、生まれ変わってしまった)』
けれど、なんて言うのだろう。
少しだけだったらこんなんでもいいのかなって…
今まで感じたことのない感情だったから…
でも、こんなの長く続かないってしってたから…
執筆日 20140816