意味


イノセンスが見つかったことはレンさんが教団に連絡をいれてくれた。
まさか新人がさっさと神の結晶を見つけるとは思わなかったのだろう、未熟だなんだとそういってしばらくはそこにとどまれということだった。
とどまっていいのか、と思ったのだが、どういやら現在進行形で教団に戻る予定の元帥がいるらしい。
その人物と共に帰還せよとのことだ。
ずいぶんと信頼がないんだなと思ったが、実際、誰かを守りながら戦うのは私にまだできるものじゃない。


「数日だけでしたが、アイリ様とこうしてお話しできてよかったです。」
『私もです。はじめての任務レンさんがサポートしてくださったからこうしてイノセンスもてにいれることができました。』


すっかりと元に戻った海を眺めながらの会話。来たときから変わっていないが、おそらく、今回はかなり簡単に見つかった方、なのだろう。
それでも、きっと長い時間をかけてレンさんが調べてくれたからこそ、問題なく進んだのだろう。


『ねぇ、レンさん。』
「なんですか?」
『あなたは、この聖戦をどう思っているんですか?』


だから、ひとときの別れの前に聞いておきたかった。
私はクロスに見つけられてエクソシストになって聖戦に組み込まれた敗者だからだ。だから、自らこの聖戦に参列した彼に聞こうと思っていたこと。
何度かまばたきして、彼は笑った









ーとても悲しい戦いです。だからこそ
ーー私は一度失った未来を手繰り寄せるためにここにいます。






[back]
×