激しい、爆音が聞こえた。
そしてその風が戦装束を揺らす。
何…?
「く、くくく…これで東国も満身創痍。
いつでも、どこからでも滅ぼせますね。」
だが、イラつく。
思わず剣劇を繰り出せばそれは明智の鎧の一部を砕き、また気持ち悪い声を上げてよろめいた。
けれど、その表情が愉しげで…ひどく吐き気がする
「ククク…痛いですね…
さすがは女だろうと独眼竜…骨の髄がわななくようです」
でも…その表情がゆらりと変わった。
まるで弱い獲物をいたぶるかのような…そんな表情で…
「ですが…思ったよりもキレがない
さて、そろそろ踊っていただきましょうか?」
こいつは、私が銃弾をうけたと…っ見抜いている…
後ろに多くの銃口が、私へと向いていた。
『アンタには、地獄の門番が似合いだ』
思わず悪態をつくが、私の前に現れ手を制すように私の前に出した。
「政宗様、撤退のご指示を!」
『っ!』
「あれだけの数の飛び道具、まともに相対せば全滅は必定!」
そして、そういったのだ。
よぎるのは、大切なものを失いすぎた…人取橋
「屈辱は、この小十郎が分かち合いまする。」
すっと体を起こして、目を細めた
負けられない、
負けられないけれど…
『撤退だ、退くぞ小十郎。』
私一人で戦うには、リスクを背負いすぎた。
刀をしまって、前だけを見据える、
背を向け退却するやつらに…その銃が火を噴かないように…
「ここは貴女に免じて撃たないでおきましょうか、独眼竜…
そのほうが、楽しめそうです」
『っ…』
あぁ、どこまでこの男は人をコケにすれば気がすむんだ
執筆日 20130911