前田襲来から数日、
やることは全部やってそして今から魔王の元へと向かう。
「ねぇ、梵…本当に行っちゃいけないの?」
「これ、成実。」
「だ、だってさぁ…」
蒼の戦装束に身を包んで城門をこえれば後ろから不安そうな声。
それからそれを咎める声も聞こえて、苦笑いしてしまう。
城の外にすでにまたせていた軍の皆を視界に入れて、それから疾風に飛び乗れば「梵…」とまた寂しげな声が聞こえた。
『時、』
「!」
『私たちが帰るまで城を守ってくれ、
農民たちも…みんなだ。』
だから、「時」と…昔呼んでやればぱぁっと目を輝かせる。
調子のいい奴だと思いながらもそういって、前を見据える.
『だから、私たちがいない間、頼んだ』
もしかしたら、帰ってこれないかもしれない。
そんな最悪なことを考えながら周りを見、
『Are you ready guys!』
「Yeah!!」
息を吸い込んで、空まで反響するようにそう声を張り上げた。
そうすればあたりまえのように帰ってくる声に口元が吊り上がる。
横で小十郎が馬に乗ったのを見た。
『目指すは尾張!
魔王の首を獲りにいく!』
そして、目的さえも吐き出して、周りからの歓声を聞いて心を落ちつかせる
ふぅっと息を吐いて目を閉じて、開いて…
『誰も死ぬことは許さない!
Let's get serious!!』
駆け出したのは、明日の未来のために
執筆日 20130828