しゅっと木刀を振るう。

血など付いてはいないがそれでもクセ、というものだろう。


地にふせ、そしてうめくやつらに、忍から受け取ったカメラを片手に言ってやれば、こちらを睨んだ、が関係ない。

もともと私たちは正当防衛だった。



「三成・・・」



そのまま振りかえれば千代が少し寂しそうな表情で私を見ていた。
木刀はそのままに、歩み寄れば下に視線を落として私から目をそらす。



『この前の続きを言おう。




 儂はお前の思いに、答えることは出来ないんだ。』

「・・・」

『だが・・・っ儂は、ずっとずっと後悔していた!
 お前を殺したことに、お前を・・・裏切ったことに・・・


 だから、


 私が、幸せになって良い理由なんてないんだ。』



ぽろりと、千代の頬にすべる涙を、あのときのように拭った。



*-*闇の交差*-*


《みつ、なり?》

(貴様にこれを返しておく。)

《・・・あ、捨てないでいてくれたのか》

(っ当たり前だ)

《、ありがとう。みつなり》



執筆日 20130731



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