案の定、というべきか。
猿飛の警告はどうやら正解だったらしい。


校門へと行けば北条の忍・・・風魔が私に手紙を差し出し、千代が追われていることを知らせた。
だが、しかしそれは私にも当てはまること。

風魔に指示を出し駆け出せば私も追われる身となったが・・・


おそらく、千代関連のことだろう。
力のないものは秀吉様の前に這い蹲ればいいというのに


クッと路地へと入れば、向かい側から走ってきた千代。


静かに驚いたが、それは千代も同じようで、
背をあわせ、そして互いに追ってきた奴等へと視線を向ける。



『・・・っ三成』

「嵌められたようだな」

『・・・そう、だな。』



だが、千代の声は震えていた。
私にかかわるのがそんなに嫌か、と・・・

この光景が懐かしいと思ったのは、私だけではないだろう。


スッと竹刀袋から木刀を取り出して構えた。




「私は貴様を許さない。」




それから言った言葉に、千代は静かに『わかっている』といったが、いや、貴様は何もわかっていない。





「私の元を離れようとするその意志を、私は許しはしない」




呟くように言った言葉に、千代の視線が私を映したのがわかった。
だが、おそらくこの状況を目の前にしても、貴様は私を庇おうとするだろう。

だから、奴に頼んだのだ。


ふわりと、舞い降りる黒い羽。
千代は小さくそいつの名を呼んでいたが、



「おい、北条の忍。」





案内しろ、と言葉を続ければ千代を抱き上げてそして飛び上がった。





執筆日 20130731



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