時間は過ぎ、放課後。

いろいろあり、少し遅くなってしまったが部活動が早いところは終る時間・・というだけでまだ比較的明るい。



だが、フッと視線を感じ周りを確認すれば、人気のない路地に、人の影、

走り出す。

足を動かし、あの頃のように・・・

ただ逃げるだけの存在なんて、嫌だったが・・・


前回のこともある、私を追いかけてくる奴等の制服は大体一緒のようだ。



つまり・・・・



『(この前の仕返し・・・ということか・・・っ)』




力だけで解決しようとする人間の考え。
この時代の人間は群れをなして戦うことしか出来ないのだろう弱いものだ。

己は弱いのに、強いものの力を己の力だと勘違いしている
愚かなものだ。

逃げている時点で、私も弱いのだが・・・



『「!」』



なのに、曲がり角を曲がった瞬間に見えた銀色。
その人物は私を見て、目を見開いたが互いに止まることは出来ず、一度すれ違いその後背あわせになって構えた。



『・・・っ三成』

「嵌められたようだな」

『・・・そう、だな』




少し戸惑うが、三成は普通だった。
あぁ、豊臣時代に戻ったようだと思う。

同じような状況が、何度もあった。

ただあのときのほうがもっとボロボロだったが。



「・・・私は貴様を許さない。」

『っわかってる。』

「私の元を離れようとするその意志を、私は許さない」

『っ!?』



なのに、三成の言葉に小さく驚いた。
背に携えている竹刀袋から取り出したのはなぜかしないではなく木刀。

まぁ、相手だって鉄パイプ片手に私たちに迫っているのだからお互い様だが・・・



『三成・・・ッ』



でも、だめだ、

三成が手を汚すことじゃない。
こんなこと、ゆるして良いはずがない



「安心しろ、貴様の考えはわかっている」




そう、考えていた私へと掛けられたのは、その声、
けれど、突如目の前に降り立ったのは黒い羽



『ふう・・・ま・・・』



あの頃のような忍の服ではないが比較的動きやすいような、そんな服。



「おい、北条の忍。
 案内しろ」

「(コクン)」




だが、突然風魔が私の事を抱きかかえる。
小さく悲鳴を上げたがそんなの無視だ。


そのまま追手の頭上を飛び、そして三成も家の塀に飛び乗り走り出した。



執筆日 20130719



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