「Hey石田、また千代について考え事か?」

「もー、表情くらいってぇの」


はい、スマイルスマイル!
なんて私の前でブイサインを送る猿飛に酷くいらだったが・・・
私は暗いだろうか・・・。

もしかしたら、そうかもしれないが・・・



「まさか、お前自分の今の立場わかんねぇのか?」

「・・なに?」

「・・・あっちゃぁ・・これじゃあ千代ちゃんが哀れに思えてしかたないよ・・・」



石田の旦那今週の日曜日、何の日か知ってる?


猿飛にいわれて、そして思い出す。
今週の、日曜日は・・・



「新人戦・・。」



秀吉様が私へ託してくださった初の試合。
だが・・・もし、あの時・・私が手を上げていたら・・・



「きっと、お前を襲った奴等もソレが狙いだったんじゃねぇか?」

「・・・」

「お前が手を上げれば事実上千代の立場にお前はいただろうな。」

「それに一年間は大会出場停止でしょ?
 それってスポーツ特待で来てる人たちにとっては大打撃だよね。」



伊達の言葉に、目を細める。
それが、千代の言っていた「守るから」ということに繋がるのだろうか・・・。

だが・・おせっかいにも程がある。



「・・・あれ、確か千代ちゃんって・・・」

「どうした、猿。」

「いや、千代ちゃんってスポーツ特待生じゃなかったっけ、
 ほら、ボクシングの」

「・・なに?」



だが、言われた言葉に視線を向けた。
猿飛がうなっているが・・・もし、そうだとしたら・・・

千代は・・・どうなる・・・。



「まぁ、これからどうなるかは千代ちゃんが決めることだしね、 
 ・・・独眼竜の旦那、ケータイなってる。」

「ん? あぁ、小十郎だな。」

「でなくていーの?」

「あぁ、構わねぇ」



はぁっと、ため息をつき「どうせ怒られるんだしな」といっている伊達に、ならばさっさと帰れといってしまいたいが、きっと何か理由があるんだろう。



「ねぇ、石田の旦那。」

「・・・なんだ」


だが、突然声がかけられ、猿飛へと視線を向ける
そうすれば私を鋭い視線で見ていた。



「もし、千代ちゃんが記憶もちでなくっちゃいやだっていうんなら真田の旦那に協力してくんない?
 アンタみたいに中途半端じゃないんだわ」

「・・なに?」

「だって、千代ちゃんを泣かせたんでしょ?
 だから諦めてよ。旦那はそんなことしない」



*-*闇の宣告*-*

(悪いが、私にはそんな気は無い)
(へぇ・・)
(おいおい、千代のいねぇところでヒートアップしてんじゃねぇよ・・・)

執筆日 20130630



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