奪われたのは、私が秀吉様から授かった竹刀。
連れてこられたのは人気の無い路地だった。
「何のつもりだ」
声が低くなる。
男どもはにやにやするだけだ。
「そうか、テメェは覚えてねぇだろうな。」
「・・・」
昔にもあった逆恨みという奴だ。
そう思ったが、それよりも男の手にある竹刀を奪還することがいま私の一番の優先事項だ。
「俺たちはテメェにボロボロにされてこっちはは恥かいてんだ。」
だが、すぐに放り投げられた竹刀に、手を伸ばす、
秀吉様から頂いた大切なものだ。
落とすわけには
手を伸ばした、
手を、
『三成っ』
笑んだその表情が
声が・・・
頭をよぎったその全てが、私が求めていたもの。
地面に転がされそして、振り上げられた手
『何してるんだ!!』
だが、その前に、
路地裏に飛び出していたのは・・・
「(千代・・・?)」
何故・・お前が
執筆日 20130623
×