思わず、言ってしまった言葉に、自分で墓穴を掘ったかも知れないと思った、
それは少なからず、見ているというあらわしにもなるだろう


独眼竜の目が鋭く、光


「いや、関係あるな。」

『なんでだ?私の夢だろう?』

「お前の夢だからだ」

『っ人違いじゃないのか、
 入学式の時、確か孫市が言っていたじゃないか、


 私は、「家康」じゃないと・・・っ』


そこまで言って、肩がつかまれた。
ぎりぎりと、かなり強い力で、思わず、小さくうめいて、目をつぶり斜め下を向く。



「言ったな、」

『っ石田三成が、私の事をそう言っていただろう・・・
 家康と・・っ』

「しらばっくれる気か、アンタは俺たちを裏切るってんだな」

『っ裏切るとはなんだ!!


 なんなんだ、皆して・・・っ

















 そんなに「儂」が苦しむのを見たいのか!!』





思わず、声を荒げてしまった、
昔のような一人称で叫んだとき、もう、遅いと思ったが、ぽろっと頬を流れたそれを無視して、キッと目の前の独眼竜を睨む。

そうすれば、私が泣いてるのが驚きなのか目を見開いている




『あぁ、見ているさ、
 人の血に濡れ、笑む儂をな!!

 憎悪にまみれた視線を受け、僻みを受け、軽蔑を受け、押しつぶされるような期待を受け、大切なものを斬り、そして、泣いた儂を・・っ



 儂は、っ私はあんなのを、私と思いたくない!!』




あんなのは、私じゃない、

いやだ、いやだ、認めたくない、許したくない、認可しない、いやだ、




肩をつかまれていた手が、滑り落ちた、

そんなの、気にせずに、ただ、両耳をふさいで、泣いた。




執筆日 20130607



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