「目が覚めたんだな、」



起きて、かけられた第一声はそれで戸惑ったが、元親は気にすることなく、「俺ぁ、2組の長曾我部元親っつーんだがよ、お前が階段で倒れたのを見て保健室に連れてきたんだ」と、言葉を続けた。

あぁ、あのときのは元親だったのかと、納得。



「Hey,Girl 入学式以来だな」



なんて、考えていたらいきなりそういわれた
心の中では不安がぐるぐるとしているのに、そんな私とは裏腹に、独眼竜は笑っている。

元親は少々不安そうだし、片倉殿の眉間には皺がよっていた。
こっちの世界でも、独眼竜は唯我独尊というわけか


ただ、じっと目を見られるのは・・・少々困る


独眼竜の目は、良い。
だから、隠すようにへらリと笑った



『あの時は、すまなかった、
 なにぶん、人見知りでな』

「Oh、Sorry、悪いことをしたな」

『いや、いいんだ。
 石田三成・・だったか、アイツにも悪いことをしてしまったな。
 きっと・・根は良い奴だろう?』



それから、一言謝って、三成の名を出した。
私のそのたった一言の言葉に、ゆるりっと独眼竜の瞳が細められる。

真意を探ろうとしているような目だ。

だが、これでもあの時代では何重にも仮面をかぶせ、そして偽ってきたのだ
そうそう、見破れはしないさ

たとえ、それが同じ軍に属していた独眼竜といえども・・・。




「・・Fum・・・徳川千代。」

『なんだ?』

「お前、夢を見ないか?」

『夢?』



だが、突然言われたその言葉に、首をかしげる
夢・・・それに何の意味があるのだろう。

私が気を失っていた間に・・何かを口走ったのか・・・?

そうなると、大分まずい、
多分、元親がずっとそばに居たんだ・・もし・・あの頃に関係することを口走っていたら・・・


そう思うと酷く心臓が脈だっていく
もしかしたら、さすがにこれは表情に出ているかもしれない。



「あぁ、俺とか・・・元親とか、後ろにいるTeaterとかが鎧や刀、槍を持って夢だ」


あぁ、そうか・・





『すまないが、その話と私と・・・何の関係があるんだ?』




独眼竜も・・・記憶を求める側・・・なのか・・・



執筆日 20130607



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