*-*Side Yoshitsugu*-*



三成が押し黙るのを見やり、我は少々考えていた。


400年前の我等が生きた乱世の戦国、
昔のような力も無ければ、我等も非力よ
だが、この世にあのような力はいらぬイラヌ


記憶を持ち、生まれ変わり、また太閤殿や竹中殿に会え、同胞にもまためぐり合えた。

それはやれ、嬉しいことよ


だが、我の友はそうは思わぬ、


ただ一人、家康・・今の世は千代という名の女子・・・のせいと考えると酷くユカイ


あの、三成も人の子というわけよ



「(全く・・・哀れなものよな・・・)」



前世では大切なものを殺され、今世では記憶無き女子

三成は元々我と同じで記憶もちだった故、普通に接したいが記憶が無いとあればそれは出来ぬであろう。
不信感を抱くだけよ


入学式アのような行動をしておれば、なおさら


怖がらせ、逃げられたということは、第一印象は最悪といってよかろう

アレは小さく臆病ゆえ、無理に近づけば小動物のごとく逃げるだろうなぁ、



「刑部、」

「あい、何ぞ三成」

「私は・・・私たちは昔のように戻れるだろうか・・・」



長々と考えていれば、いわれた言葉にさっそく笑いがこみ上げる。

あの世では太閤殿がおられた頃は酷く仲良き二人

周りからは冷やかされて追ったが、あまり気にしてはいなかった

やれ・・・だが・・・


「主が思うなら、我は手を貸そう、」

「・・・あぁ。」




*-*蝶の思惑*-*



すべて義の為主のため・・・


なに、我は知っておるのよ、



徳川家康の、死に際をよな



執筆日 20130605



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