*-*Side Motochika*-*


「なぁ、徳川なんかフラフラしてねぇか?」

「あ?」



隣にいたクラスメイトに言われてその方向を見れば、徳川・・・。
俺にとっては「親友」の姿

といっても、相手は俺のことなんか覚えちゃいねぇんだけどな

俺だけじゃなくて、他の奴等のこともだが・・・


もしかしたら家康に酷似してる女ってだけかも知れねぇが・・・だが・・あいつは本物だと思う。


・・・だが・・なんでふらついてんだ?

つか・・あのふらつき方は・・・



「(まずくねぇか?)」



体調が悪いと分かる、ふらつき方。

あのままじゃ・・よぅ・・・


ぶっ倒れるんじゃ・・・ねぇか?

フラフラ、フラフラ・・・

そのまま人気の無いほうへと歩いて行く


もし・・・どっかで倒れたら・・・

そう思うとぞっとする


『本当だ、元親、ソレは儂の指示ではないっ』

「本当か?っお前の名誉に誓えるか?」

『儂の・・・いいや・・・

 私の名誉なんてどうでもいい!
 友のお前に誓って、本当だ』



気づけば、走りだしていた
政宗の話を聞けば、家康は・・・千代には・・・記憶がねぇときく。
そしたら俺は、知らねぇ男だ。

変に思うかも知れない。
不安になったが、俺は千代の後を追い、そして、階段の壁に寄り掛かっている千代の手を・・・


「っ!!」


掴んだ、だが、グラリっと千代の身体は傾いてそのまま崩れ落ちた、
慌てて千代の身体を支えて抱きしめる。

細い、折れちまいそうなそんな体。

ここが人気のねぇ場所でよかったぜ・・・



「おい!しっかりしやがれ!! 千代!!」


ぐったりとして、青白い顔をしている千代の体を揺らすが完全に意識を飛ばしちまってるみてぇだ。



『も・・ちか・・・』

「!?」



だが・・偶然か・・・
千代が・・・俺の名を・・・呼んだ。

まるで、死んでるみたいで・・・ぞっとするが・・・だが、千代はしっかりと息をしていてそれだけはホッとする。



「(誰かに連絡しとくか・・・)」



ケータイを開き、そして一番上にあった連絡先に連絡を入れた。



執筆日 20130603



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