あいつが言ったことが忘れられない
千代が私を拒絶しているだと・・・?
何故だ・・何故・・・
「ねぇ、中庭の竹中先生見た?」
「みたみた、 あれ、一年生かな?
あんなに優しそうに竹中先生笑ってるところなんて初めてみたよ」
「ねー」
そう、考えていた私の耳に届いたのは、多分、年上の女子生徒の言葉。
振り返る。
半兵衛様が・・・笑まれているだと?
そう思ったとたん、私は走り出していた。
おそらく、一年生、と言われたのは千代だ。
刑部が言っていた。
雑賀のように接すればよいと、
もしかしたら何かきっかけがあれば千代は私を思い出すかもしれない。
そう思わずには、いられなかった。
だが・・
「っ・・・」
中庭が見える・・・渡り廊下。
確認しようと、のぞけば・・・そこには・・・半兵衛様と秀吉様・・・
「・・・ っ千代」
そして半兵衛様から秀吉様の腕へと抱きかかえられた千代の姿。
何故・・何故・・・ っ
「(私ではなく・・っ)」
秀吉様が、千代に触れることが許されているのですか・・・
こんなにも、こんなにも・・・
あの頃のように接したいと思っているのに・・・
「石田?・・・・・・豊臣の・・・」
私の様子を見、追いかけてきたのだろうか、
伊達が私を呼んだ、
そして、視線は秀吉様たちへと・・・
「そうか・・・お前・・・なんにもしらねぇんだもんな」
「・・・何?」
「あいつ・・・家康はな・・・
日ノ本を統一した後・・・」
*-*闇の思い*-*
(お前を討った場所で死んだんだよ)
(・・・どういうことだ・・・)
(それは自分で聞きな、千代が家康になったらな)
執筆日 20130601
×