『これは、真に美味です!』

「それはよかった。
 つるぎにたのんだかいがありました、」



もきゅもきゅとおいしそうに甘味を食べる幸。
彼女の周りには幸せそうに花が散っている。

おそらく、それは幻覚だが幻覚とも言い切れないだろう。


それをみて、謙信もかすがも微笑む。
まるで幼子を見ているかのようなその視線。



『あの、かすが殿、
 武田はどうなっているのでござろうか。』



けれど、ふとした時に、幸は恋しがる。
それが、何時の時間かはわからない


今のように、ふと、思い出したように言う事だってある。



「幸・・・」

『しかし、お館さまも、佐助も私なんてイラぬのだから』



その言葉を聞いて、そっと名を呼んだのはかすが。
けれど小さく、幸は言葉を漏らした。

その瞳には、先ほどの明るさはなく、
水の中に沈んでいくような、そんな雰囲気を漂わせてまるで人形のように・・・



「幸。」


そっと、謙信は幸の名を呼べばうるんだ瞳で『っけんしんどの・・』と苦しげに言葉をはく。
その代わり、謙信は酷く優しい瞳を幸へ向けていた。



「いいですか、あなたはなにもしんぱいしなくていいのですよ。
 はかなきさくら・・・。

 あなたはわたくしたちがまもります。
 そうですよね、つるぎ。」

「もちろんですっ!!」



そして言われた言葉にかすがは声を上げる。
その言葉を聞いて幸は少しゆらゆらとしていたけれど、力なく笑って『ありがとうございまする。』と頭を下げた






*-*サクラ*-*


(さぁ、これもたべろ幸)
《でもそれはかすが殿の・・・》

(ふふ、がんぷくですね、 うつくしきおなごたちがたわむれるのをみるのは)




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IFストーリーで書かせていただきました
上杉休養ということで、頑張ったのですが・・・かわいがって・・・ますか?

ご期待に沿えてれば嬉しいです。

このたびはフリリクありがとうございました!


執筆日 20130627



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