想イ輪廻 | ナノ

03


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戦は、終わってしまったのだろう。


豊臣軍の、敗戦という形で…



終焉のホラガイが鳴った。
遠めに見えていた赤い、その人が崩れ落ちた。


周りに居た、兵士達が気がつかないわけが無い、
動揺が走り、誰も私の声を聞かない。


私の、声も、出ない。



『ひ・・・っく・・・う・・はんべ・・・様・・・っ』



ポロポロと、涙がこぼれて仕方が無い。

この、まけは、わたしのせいだ。








崩れ落ちた半兵衛様を支えて、何度も、何度も、呼んだけれど、



もう、彼は、動いてはくれなかった。




『半兵衛さまぁ・・・っ目を、目を開けてくださいよ・・・っ』



彼は言った。




-秀吉のためだと-




まるで、自分が、秀吉様の命とでもいうように・・・



彼が意識を失った直後に、秀吉様は、家康に討たれた。










「弥月様・・・」

『・・・兵を、集めて・・・
 それから、半兵衛様を部屋へ・・・』

「です、が」

『・・・なら、さっさとして、
 半兵衛様の後継を私は継ぐ。』



膝の上に寝かせた半兵衛様の頭を軽くなでた。
紫色の仮面を外せば、まるで、ただ、眠っているかのようなその顔

口元の血を袖で拭えば、今にも起きてくれそうなのに・・・

なのに・・・



『おやすみ、なさい・・・竹中半兵衛・・・っ』



どうか、来世では、貴方が大切にしていた豊臣秀吉、その人と・・・どうか・・・





『わら、って・・っ居てくださいな』




あぁ、貴方との約束は結局護れないまま




執筆日 20130312


 
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