放課後一緒に多くの学生が
よく訪れるアクセサリーショップへ向かった。

「カップルいっぱいいるね」

「なまえもカップルだよ」

「そういえばそうだった」

「わざと?」

「うん」

と言えば彼は笑顔で私の頬を抓ってきた。

「どの口が言うのかな?」

「ごふぇんごふぇん」

「まあいいや。で、どれにする?」

と言われても数が多すぎる。

「一番安いのでいいよ」

「じゃあ真ん中の値段で」

「ほんとに?」

「気にしないでいいよ?これから婚約指輪プレゼントするまで
 ずっとこれつけてもらうから」

「あ、あの精市さん」

「なに?名前彫りたいの?仕方ないなー」

「もう、好きにすれば」

「嘘だよ、デザインどれにしようか?」

わざと私を拗ねさせてるんだって
分かっているけど、いつもいつも
ひっかかってしまう。
この前仁王が言ってくれるまで
気付かなかった。

「じゃあ、これ」

「偶然だね、俺もこれがいいと思ってたんだ」

彼はそういうとすぐに会計へと持って行った。

そんな精市をみていると
なんか頼もしいというか
きっと良いお父さんになれそうだなーなんて
思っている自分がいた。

「一週間後に受け取りにくればいいんだって」

「じゃああたしが行こうか?」

「なまえが一人で街に行くのはイヤだからなあ」

彼がどうしてもと言うので精市が行くことになった。
どうせ私に行かせる気はなかったんだろうと思う。

「ありがとね」

「どうして?」

「なんか付き合ってからずっと精市ばっかに頼ってるし」

「いいよ、俺が好きでやってるんだ」

「馬鹿」

「気持ちに気付いてくれないなまえの方が馬鹿だよ」

「それ言う?!」

「鈍感だもんね?」

意地悪にいう彼に少し蹴ってやりたくなったけど
そんなことしたら私に明日はないのは
分かっていたから我慢した。


「早く精市の家にいこ?」

「そんなに襲ってほしい?」

「そういう意味じゃなくて!」

「大丈夫今日は手を出さないから」

「そうしてくださいー!」

彼は少し不機嫌そうな顔をして
俺はしたかったんだけどなーと言いながら
私の手をそっと握る。

そう言えば今日は手をつないでなかったなあ。
と今更思った。

「いつものね?」

「はいはい」

精市は手をつなぐのが好きだ。
私と二人でいるときは大体手をつなぐ

彼曰くつないでいると、
なまえが隣にいるって実感できるから
手をつなぐことが好きらしい。

私も手をつなぐこと自体は嫌いじゃないけど
やはり顔が整っている彼だから
注目はかなりされる。それ故に
恥ずかしくなることが多々あるのだ。

  


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